アジ(鯵)の旬はいつ?種類別の時期と黄アジ・黒アジの違い

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スーパーの魚売り場でアジを手に取りながら、今が旬なのかどうか迷ったことはありませんか。アジは一年中並んでいる魚なので、旬の見当をつけにくいのです。結論から言えば、いちばん多く流通するマアジの旬は5〜7月の初夏です。

ただし話はここで終わりません。「アジ」と名のつく魚は何種類もあり、秋や冬に旬を迎えるものもいます。さらに同じマアジでも、育った場所によって脂ののりがはっきり変わります。

この記事では、種類ごとの旬カレンダー、黄アジと黒アジの見分け方、サイズによる使い分け、下処理と保存の目安までまとめました。売り場で「当たり」を引くための手がかりとしてお使いください。

目次

アジの旬はいつ?|マアジは5〜7月が最盛期

日本でいちばん食べられているアジはマアジ(真鯵)です。このマアジの旬は5〜7月、つまり初夏にあたります。産卵を終えたあとにエサをよく食べ、身に脂がのってくる時期だからです。売り場では「夏アジ」という呼び方で並ぶこともあります。

アジは通年流通する魚です。「いつでも買える」ことと「いつでもおいしい」ことは別なので、旬を知っておくと同じ値段でも満足度が変わります。

旬が5〜7月といわれる理由

理由は水温とエサの量にあります。春から初夏にかけて海水温が上がると、アジのエサになるプランクトンや小魚が増えます。アジはこれを活発に食べて体力を回復させ、身に脂を蓄えていきます。

脂がのると、刺身にしたときの甘みとうまみがはっきり出ます。塩焼きにすれば皮の下の脂がとけて、身がしっとり仕上がります。逆に脂が少ない時期のアジは、淡白で身がしまっているぶん、フライや南蛮漬けのように油や酢を足す料理のほうが向きます。旬かどうかで、向く調理法そのものが変わるわけです。

産卵期は海域でずれる|同じ5月でも産地で状態が違う

ここがアジの旬をわかりにくくしている点です。マアジの産卵期は日本中で同じではありません。西日本では1〜5月ごろ、東日本では5〜7月ごろが産卵の最盛期とされています。南のほうが早く、北へ行くほど遅れる流れです。

産卵に体力を使った直後の個体は、身がやせて脂も抜けます。つまり同じ5月に並んでいても、産卵を終えて回復に入った九州のアジと、これから産卵を控える東北のアジでは状態が違うことになります。産地表示を見る意味はここにあります。旬の時期にわざわざ産地を確かめるのは、この時間差を読むためです。

とはいえ、売り場で産卵期まで調べるのは現実的ではありません。判断は次のH2で紹介する体色と体型の見方に任せて、産地は「同じ日に2種類あったらどちらを選ぶか」の材料くらいに考えておけば十分です。

マアジの1年|月別の状態早見表

マアジが一年をどう過ごすかを、売り場から見た形でまとめました。地域差があるため目安として使ってください。

時期マアジの状態向く食べ方
1〜3月西日本では産卵期に入る。脂は控えめフライ・南蛮漬け・干物
4月回復が始まる。地域差が大きい月塩焼き・フライ
5〜7月旬の最盛期。脂がのって身に甘みが出る刺身・なめろう・たたき
8月旬の名残。まだ脂を感じやすい刺身・塩焼き・たたき
9〜10月脂は落ち着くが身はしっかり塩焼き・フライ・煮付け
11〜12月個体差が大きくなる時期干物・フライ・つみれ

旬のピークである5月の売り場全体の顔ぶれは、こちらの記事でまとめています。アジ以外に何が出ているかを知っておくと、その日の献立を組みやすくなります。

「アジ」は1種類ではない|種類別の旬カレンダー

アジの旬を語るうえで、いちばん見落とされやすいのがここです。売り場で「アジ」と書かれていても、中身はマアジとは限りません。そして種類が違えば旬もずれます。秋でも冬でも、旬を迎えているアジはいるのです。代表的な4種類を見ていきましょう。

鮮魚売り場の氷の上に並ぶ数種類のアジ(明るめのライフスタイル写真風)

マアジ(真鯵)|旬は5〜7月

もっとも流通量が多く、単に「アジ」といえばこの魚を指します。全国の沿岸で獲れ、一尾でも三枚おろしでもパックの刺身でも並びます。体の後方から中ほどにかけて、ぜいご(ぜんご)と呼ばれるとげ状のうろこが走っているのが目印です。

味の面では、脂とうまみのバランスがよく、刺身から揚げ物まで何にでも使えるのが強みです。旬の5〜7月は特に刺身向きになります。

旬を外しても手に入りやすいのは、産地をリレーする形で通年流通しているからです。九州から北海道まで広く分布しているため、水揚げの中心が季節とともに南北へ移っていきます。売り場で「アジ」とだけ書かれた一尾は、まずこのマアジだと考えて差し支えありません。

マルアジ(丸鯵・アオアジ)|旬は秋から冬

マアジによく似ていますが、分類のうえではムロアジの仲間にあたる別の魚です。旬はマアジとほぼ入れ替わりで、秋から冬にかけてがおいしい時期とされます。マアジの旬が終わったころに旬を迎えるので、覚えておくと秋の売り場で役に立ちます。

見分け方は2つあります。ひとつは体型で、マアジより丸みを帯びた断面をしています。もうひとつが確実な方法で、尾びれの手前に小離鰭(しょうりき)という小さなひれが並んでいればマルアジです。マアジにはこれがありません。ぜいごもマアジより短く、体の後ろ寄りにしかついていません。

味はマアジよりあっさりしていて、価格も抑えめです。塩焼きや干物、つみれによく合います。

ムロアジ|旬は9〜12月

九州・四国・伊豆諸島などで多く水揚げされる種類で、旬は秋から初冬にあたります。本州の一般的なスーパーでは生のまま並ぶ機会が少なく、干物やくさやの原料として加工された形で出会うことのほうが多い魚です。

味わいはマアジに比べるとさっぱりしています。旬の時期でも脂の主張は控えめなので、干物にして水分を抜き、うまみを凝縮させる食べ方と相性がよいわけです。

見た目はマアジより細長く、断面が丸みを帯びています。マルアジと同じムロアジ属の仲間なので、尾びれの手前に小離鰭があるのも共通点です。旅先の道の駅や産直コーナーで干物を手に取ったとき、原料としてこの魚の名前が書かれていることがあります。

シマアジ(縞鯵)|旬は6〜10月

名前に「アジ」とつきますが、扱いは高級魚です。上品な脂と甘みがあり、刺身で真価を発揮します。天然ものの旬は6〜10月と、マアジよりやや後ろにずれて長く続きます。

ただし養殖のシマアジが一年中流通しているため、売り場で見かける時期と旬は一致しません。天然ものが出回る夏から秋は値段の幅が大きくなるので、産地表示と「天然」「養殖」の表記を確認してから選ぶのが確実です。

種類旬味の傾向見分ける手がかり
マアジ5〜7月脂とうまみのバランスがよいぜいごが体の中ほどまで長い
マルアジ秋〜冬あっさりして価格も控えめ尾びれの手前に小離鰭がある
ムロアジ9〜12月さっぱり。干物向き体が細長い。加工品で流通
シマアジ6〜10月(天然)上品な脂と甘み。高級魚体側に黄色い縞。養殖は通年

「アジの旬は初夏」という言い方は、あくまでマアジを指しています。秋にアジが食べたくなったら、マルアジやムロアジを探してみてください。旬を外した高いマアジより満足できることがあります。

シマアジをはじめ、夏に旬を迎える魚をまとめて知りたい方は、8月の売り場を扱ったこちらの記事もどうぞ。

同じマアジでも味が違う|黄アジ(瀬つき)と黒アジ(回遊)

旬のマアジを買ったのに、思ったより脂がのっていなかった。そんなときに関係しているのが、この違いです。マアジは生物としては同じ種類でも、育った環境によって2つのタイプに分かれます。どちらを選ぶかで、旬の時期の満足度がはっきり変わります。

体色の異なる2尾のアジを並べて比べる手元(明るめのライフスタイル写真風)

体色と体型で見分ける

ひとつは湾内や岩礁に居ついたタイプで、黄アジ・瀬つきアジ・根つきアジなどと呼ばれます。エサの豊富な場所から動かずに育つため、体高があってずんぐりとし、体やひれが黄色みを帯びます。金アジ・黄金アジという呼び名もこのタイプを指します。

もうひとつは沖合を長い距離泳いで回るタイプで、黒アジ・沖アジ・セグロなどと呼ばれます。こちらは背中が黒っぽく、ひれも透明感が乏しくなります。体は細めで、大きく育つのが特徴です。

売り場で見分けるコツは、同じトレーに並んだ数尾を見比べることです。1尾だけ見ても黄色いかどうかは判断しにくいのですが、並べると差がはっきりします。全体に黄色く、腹が厚いものを選んでください。

値段が違う理由と選び分け

黄アジのほうが高値で取引されます。泳ぎ回らないぶん身がやわらかく脂がのりやすいため、刺身にしたときの差が大きいからです。逆に黒アジは長距離を回遊するので身が引き締まり、脂は控えめになりやすい傾向があります。

つまり刺身やなめろうにする日は黄アジ寄りの個体を、フライや南蛮漬け、干物にする日は黒アジ寄りの個体を選ぶと、値段と用途が噛み合います。旬の時期に少し高いアジが並んでいたら、この違いが理由である場合が少なくありません。

なお、大分県佐賀関で水揚げされる「関あじ」のようなブランドアジも、潮の流れが速い海域に居ついた個体という点で黄アジ寄りの性格を持ちます。関あじの盛りは夏から初秋とされ、一般的なマアジの旬とは少し時期がずれます。同じ魚でも愛媛県側で水揚げされると「岬(はな)あじ」という別のブランド名になります。

サイズで呼び名と使い道が変わる|豆アジ・小アジ・中アジ・大アジ

アジは大きさによって呼び名が変わり、向く料理もはっきり分かれます。旬の時期には小さい個体から大きい個体まで幅広く出回るので、料理を決めてからサイズを選ぶと失敗がありません。

呼び名大きさの目安よく出回る時期向く料理
豆アジ手のひらに収まる程度初夏〜夏丸ごと唐揚げ・南蛮漬け
小アジ15cm前後初夏〜秋唐揚げ・マリネ・干物
中アジ20cm超通年(旬は5〜7月)刺身・塩焼き・フライ
大アジ30cm前後〜春〜初夏刺身・たたき・なめろう

同じマアジでも、大きいものほど脂がのって刺身向きになります。反対に豆アジは骨がやわらかいので、二度揚げにすれば骨まで食べられます。160℃前後で5〜6分揚げていったん取り出し、180℃に上げて1〜2分揚げ直すと、骨が歯にあたらなくなります。

30cm前後まで育った大アジになると、脂ののりは一段と濃くなります。ただし数が出ないぶん、一尾売りの高い棚に並ぶことが多い魚です。日常づかいなら中アジがちょうどよく、刺身にも塩焼きにもフライにも回せます。迷ったときはこのサイズを選んでおけば無駄がありません。

サイズと時期にも関係があります。春から初夏には産卵を終えた大きめの個体が中心になり、夏へ向かうにつれて、その年に生まれた小さい個体が育って売り場に加わります。旬の盛りに豆アジと中アジが同じ日に並ぶのは、このためです。同じ「旬のアジ」でも、選べる大きさの幅が広い時期だと考えてください。

豆アジの下処理は、腹を割らずに済ませるのがコツです。エラぶたから指や菜箸を入れて内臓を引き出す「つぼ抜き」にすると、形を保ったまま丸ごと調理できます。数が多いときほど時間の差が出る方法です。

豆アジがよく並ぶ6月の売り場については、こちらでくわしく取り上げています。

旬のアジの選び方|売り場でのチェックポイント

旬の時期に当たったアジを選ぶには、見る場所を決めておくのがいちばん早道です。一尾で買う場合とパックで買う場合では、見るべき場所が違います。

一尾で買うとき|目・エラ・腹の3点

まず目を見ます。澄んでいて、黒目がくっきりしているものが新しい個体です。時間が経つと白く濁り、全体に沈んだ印象になります。

次にエラぶたを軽く持ち上げて中を確認します。鮮やかな赤色なら問題ありません。茶色っぽく変わっていたら、加熱調理に回すほうが安心です。

最後に腹を見ます。指で軽く押して張りがあり、破れていないものを選びます。内臓がいたむと腹から傷みが広がるためです。ここに体色の黄色みと体高の厚みを加えれば、旬の当たりを引く確率が上がります。

売り場で見る順番
  • 目……澄んで黒目がくっきりしているか。濁りは時間の経過のサイン
  • エラ……持ち上げて鮮やかな赤色か。茶色みが出ていたら加熱用に
  • 腹……張りがあって破れていないか。やわらかいものは避ける
  • 体色と体高……並んだ中で黄色みが強く、腹が厚いものが脂ののった個体

パック・切り身で買うとき|切り口とラベル

三枚おろしやパック詰めの場合、目やエラは確認できません。代わりに切り口を見ます。身の断面がつややかで、血合いの色がくすんでいないものを選んでください。トレーの底に汁がたまっているものは、時間が経って水分が出ている状態です。

ラベルでは3つを確認します。消費期限、産地、そして「生食用」か「加熱用」かの表示です。刺身にするつもりなら生食用を選ぶのが前提になります。加熱用と書かれたものを刺身にするのは避けてください。

アジを含む青魚では、アニサキスによる食中毒の報告があります。厚生労働省は加熱の場合「70℃以上、または60℃で1分以上」、冷凍の場合「−20℃以下で24時間以上」を目安として示しています。家庭で生食するときは、購入後すぐに内臓を取り除き、目視で確認してから調理してください。

旬のアジの下処理・保存・おいしい食べ方

せっかく旬のアジを選んでも、扱い方を間違えると持ち味が落ちます。アジは身がやわらかく、内臓から傷みやすい魚だからです。買って帰ってからの手順を押さえておきましょう。

買ってきたらまず内臓を取る

一尾で買った日は、その日のうちに食べる予定がなくても内臓だけは外しておきます。5分ほどの作業で、翌日の状態がまるで変わります。

まな板の上でアジのぜいごを包丁でそぎ取る手元(明るめのライフスタイル写真風)
STEP
ぜいごをそぎ取る

尾の付け根から包丁を寝かせ、体の中ほどへ向かって薄くそぎ取ります。先にここを外しておくと、皮を引くときに刃が引っかかりません。両面とも同じように処理します。

STEP
うろこを落として頭を落とす

残ったうろこを包丁の背でこすり落とします。頭は胸びれの後ろから斜めに包丁を入れて切り離します。豆アジのように小さい個体は、頭を残して「つぼ抜き」にしても構いません。

STEP
内臓を出して血合いを洗う

腹を開いて内臓をかき出し、背骨に沿った血合いを流水で洗い流します。ここが残ると生臭さの原因になります。指の腹でこすりながら、水が濁らなくなるまで続けてください。

STEP
水気をしっかり拭く

キッチンペーパーで腹の中まで水気を拭き取ります。水分が残ったまま保存すると、そこから傷みが進みます。拭いたあとは新しいペーパーで包み、ラップをしてチルド室へ入れます。

保存の目安|冷蔵と冷凍

アジは日持ちのしない魚です。旬の時期にまとめ買いしたときほど、保存の段取りが物を言います。下の目安を基準に、食べきる日を先に決めてしまうのが確実です。

状態保存場所目安ひと工夫
刺身・生食用冷蔵(チルド室)当日中食べる直前に切る
内臓を取った一尾冷蔵(チルド室)翌日までペーパーで包みラップ
三枚おろし冷凍2〜3週間1回分ずつラップして密閉袋へ
塩をした開き冷凍3〜4週間凍ったまま焼ける
南蛮漬け冷蔵2〜3日漬け汁ごと保存容器で

冷凍するときは、身に直接ラップを密着させて空気を抜くのがコツです。解凍は冷蔵庫でゆっくり戻すと水分の流出が抑えられます。急ぐ場合は密閉袋のまま流水にあててください。

旬に合う食べ方

脂がのった旬のアジは、まず刺身で試す価値があります。三枚におろして皮を引き、薄くそぐように切ると、薬味とよくなじみます。数が多い日は、細かく叩いて味噌・生姜・ねぎ・大葉と合わせる「なめろう」にすると、一度に食べきれます。

加熱するなら塩焼きが素直です。焼く30分ほど前に塩を振っておくと、余分な水分が出て身がしまり、皮もパリッと仕上がります。脂が落ちすぎないよう、火を入れすぎないのが唯一の注意点です。

旬を外した時期のアジや、脂の少ない黒アジ寄りの個体は、フライや南蛮漬けが向きます。油と酢がうまみを補うためです。作り置きにもなるので、まとめ買いした日の後半に回す料理として便利に使えます。

なお、アジには良質なたんぱく質のほか、DHAやEPAといった脂質が含まれています。刺身のように加熱しない食べ方なら、脂の風味をそのまま味わえます。

アジが主役になる7月の売り場と、夏らしい食べ方はこちらにまとめています。

アジの旬によくある質問

アジの旬は結局いつですか?

いちばん多く流通するマアジなら5〜7月の初夏です。ただし「アジ」と名のつく魚は複数あり、マルアジは秋から冬、ムロアジは9〜12月、天然のシマアジは6〜10月が旬にあたります。秋や冬にアジが食べたくなったときは、マアジにこだわらず種類を変えるほうがおいしく食べられます。

アジは一年中売っていますが、旬以外の時期は味が落ちますか?

脂ののりは確かに変わりますが、食べられないほど落ちるわけではありません。旬を外した時期は身がしまって淡白になるため、刺身よりもフライ・南蛮漬け・干物のように油や酢を使う料理に向きます。旬かどうかで「向く調理法が変わる」と考えると扱いやすくなります。

黄アジと黒アジはどちらを買えばいいですか?

刺身やなめろうにする日は、体が黄色みを帯びて腹の厚い黄アジ寄りの個体がおすすめです。湾内に居ついて育つため脂がのりやすく、そのぶん値段も上がります。フライや南蛮漬け、干物にするなら、身が引き締まった黒アジ寄りの個体で十分です。売り場で数尾を並べて見比べると違いがわかります。

豆アジはいつごろ出回りますか?

初夏から夏にかけて、小ぶりな個体がまとまって並ぶようになります。手のひらに収まるサイズなら骨がやわらかいので、二度揚げにすれば丸ごと食べられます。下処理はエラぶたから内臓を引き出す「つぼ抜き」が手早く、腹を割らずに済むため形もきれいに残ります。

関あじの旬は普通のアジと同じですか?

少しずれます。大分県佐賀関で水揚げされる関あじは、夏から初秋にかけてが盛りとされ、資料によっては春から秋まで幅を持たせて紹介されています。潮の流れが速い海域に居ついた個体のため、一般的なマアジより身が締まって脂ものりやすいのが特徴です。同じ魚が愛媛県側で水揚げされると「岬(はな)あじ」という別の名前になります。

旬のアジを刺身で食べるとき、気をつけることはありますか?

生食用の表示があるものを選び、購入後はできるだけ早く内臓を取り除いてください。アジを含む青魚ではアニサキスによる食中毒の報告があります。厚生労働省は加熱なら「70℃以上、または60℃で1分以上」、冷凍なら「−20℃以下で24時間以上」を目安に示しています。心配な場合は加熱調理に切り替えるのが確実です。

まとめ|アジの旬は「種類 × 育ち方 × サイズ」で見る

アジの旬がわかりにくいのは、一年中売っているうえに、ひとくちに「アジ」といっても中身が何通りもあるからです。次の3つの軸で見ると、売り場での迷いがなくなります。

  • 種類……マアジは5〜7月。マルアジは秋〜冬、ムロアジは9〜12月、天然シマアジは6〜10月
  • 育ち方……黄アジ(瀬つき)は脂がのって刺身向き。黒アジ(回遊)は身が締まり加熱向き
  • サイズ……豆アジは丸ごと唐揚げ、中アジ以上は刺身や塩焼きに
  • 売り場の見方……一尾なら目・エラ・腹、パックなら切り口とラベルの3表示

産卵期が海域で1〜5月(西日本)と5〜7月(東日本)にずれるため、同じ月でも産地によって状態が違います。産地表示は、その時間差を読むための手がかりとして使ってください。

迷ったら、並んでいる中でいちばん黄色く、腹の厚いものを選んでください。旬の時期であれば、それがその日いちばん脂ののったアジです。

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