ざるそばともりそばの違いとは?由来と見分け方

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ざるそばともりそばの違いは3つ

ざるそばともりそばの違いは、大きく分けると「海苔」「つゆ」「器」の3つです。

そば屋のメニューで並んでいるこの2つ、なんとなく頼んでいる方も多いのではないでしょうか。それぞれの違いを順番に見ていきましょう。

海苔があるかないか

もっともわかりやすい違いが、刻み海苔のトッピングです。ざるそばには刻み海苔がかかっていますが、もりそばには海苔がありません。

現在のそば屋では、この海苔の有無だけで区別しているお店がほとんどです。メニューの価格差も、海苔の分だけざるそばが数十円ほど高い程度というケースが多く見られます。

つけつゆの味わいが違った

実は、かつてはつけつゆにも違いがありました。ざるそばのつゆにはみりんを加えてコクと甘みを出した「御膳返し」と呼ばれるつゆが使われていたのです。

一方、もりそばのつゆはシンプルなかえし(醤油・砂糖ベース)が主流でした。ざるそばはいわば「高級版」として差別化されていたわけですね。

ただし、現代ではつゆを分けているお店は少数派です。多くのお店では同じつゆが使われています。

盛り付ける器が違う

名前の通り、ざるそばは竹ざるに盛り付け、もりそばはせいろや皿に盛り付けるのが本来のスタイルです。

ただ、こちらも現在では厳密に使い分けていないお店が増えています。どちらもすのこ付きのせいろで提供されるケースが一般的になりました。

3つの違い早見表
項目ざるそばもりそば
海苔あり(刻み海苔)なし
つゆみりん入り(かつて)シンプルなかえし
竹ざるせいろ・皿
現在の実態海苔の有無だけの店が大半
ざるそばともりそばを並べた比較イメージ

もりそばとざるそばの歴史と由来

2つの名前が生まれた背景には、江戸時代からの長いそばの歴史があります。時代の流れに沿って見ていきましょう。

もりそばの誕生 ― かけそばとの区別

そばはもともと、つゆにつけて食べるスタイルしかありませんでした。ところが江戸時代中期になると、そばにつゆを直接かけて食べる「ぶっかけそば」が登場します。

手軽なぶっかけそばが人気を集めるなかで、従来の「つけて食べるそば」を区別する必要が出てきました。そこで、器にそばを盛り付けるスタイルを「もりそば」と呼ぶようになったのです。

つまり、もりそばのほうが歴史は古く、「盛る」という提供方法がそのまま名前になりました。

ざるそばの誕生 ― 深川・伊勢屋が元祖

ざるそばの始まりは、江戸時代中期にさかのぼります。享保年間(1730年代)、東京・深川洲崎にあったそば屋「伊勢屋」が、せいろや皿ではなく竹ざるにそばを盛って出したのがきっかけです。

竹ざるは水切れがよく、そばの食感をよい状態に保てるという利点がありました。見た目にも涼しげで、この新しいスタイルは評判を呼びます。やがて「ざるに盛ったそば」として「ざるそば」の名前が定着していきました。

明治以降に海苔とつゆで差別化された

江戸時代には器の違いだけだったざるそばともりそばですが、明治時代ごろから差別化が進みます。

ざるそばには刻み海苔をのせ、つゆにもみりんを加えて風味を高めるようになりました。そばの実の中心部分を使った上品な更科そばで提供する店もあり、ざるそばは「格上」の存在として扱われていったのです。

この流れが現在のメニュー構成にもつながっており、ざるそばのほうがやや高い価格設定になっている背景には、こうした歴史があります。

現在のそば屋ではどう違う?

結論から言うと、現在のそば屋ではざるそばともりそばの違いは「海苔の有無だけ」というお店がほとんどです。

多くの店では海苔の有無だけ

つゆも器も同じで、刻み海苔がかかっているかどうかだけが違う。これが現代のそば屋の一般的な対応です。

価格差も50〜100円程度のところが多く、実質的には「海苔トッピングの有無」と考えてよいでしょう。チェーン店や立ち食いそば屋では「もりそば」の名前自体がメニューにないケースも珍しくありません。

こだわりの店ではつゆや麺にも違いがある

一方、老舗や手打ちそばの専門店では、昔ながらの区別を守っているところもあります。

  • ざるそばには一番粉(更科粉)を使った白いそばを提供
  • つゆの甘みや濃さを変えている
  • 器も竹ざるとせいろで使い分けている

こうしたお店では、ざるそばともりそばで別の味わいを楽しめます。訪れた際にはぜひ食べ比べてみてください。

かけそば・せいろそばとの違いも整理

ざるそばともりそばに加えて、「かけそば」や「せいろそば」との違いも気になる方は多いのではないでしょうか。ここで一気に整理しておきます。

かけそばは温かいつゆで食べるそば

かけそばは、温かいつゆをそばに直接かけて食べるスタイルです。ざるそば・もりそばが冷たいそばをつゆにつけるのに対して、かけそばは温かい状態で提供されます。

江戸時代に「ぶっかけそば」と呼ばれていたものが短縮されて「かけそば」になったとされています。もりそばの対義語にあたる存在ですね。

せいろそばともりそばはほぼ同じ

せいろそばは、蒸籠(せいろ)に盛り付けたそばのことです。提供スタイルとしてはもりそばとほぼ同じ意味で使われています。

由来には諸説ありますが、江戸時代には十割そばが茹でると切れやすかったため、蒸籠で蒸して提供していたことが名前の由来とされています。のちに二八そばが広まり茹でても切れなくなると、蒸す工程はなくなりましたが、器のスタイルだけが受け継がれました。

現在では「もりそば」「せいろそば」「ざるそば」のどれかしかメニューに載せていないお店も多く、地域やお店の方針で使い分けられています。

種類温冷食べ方海苔特徴
もりそばつけつゆなしつけそばの基本形
ざるそばつけつゆあり海苔トッピング付き
せいろそばつけつゆ店によるもりそばとほぼ同義
かけそばかけつゆなし温かいつゆで提供
冷たいそばと温かいかけそばの比較イメージ

そば屋で迷ったときの選び方

違いがわかったところで、実際にそば屋で注文するときの選び方をご紹介します。

海苔の風味を楽しみたいならざるそば

刻み海苔の香ばしさがそばの味わいに加わるので、風味豊かに食べたい方にはざるそばがおすすめです。海苔とつゆの相性もよく、食欲をそそる香りが楽しめます。

また、見た目にも緑の海苔が映えるので、写真を撮りたい方にも向いています。

そばの香りを味わいたいならもりそば

そば本来の風味をダイレクトに感じたいなら、もりそばがおすすめです。海苔がない分、そば粉の香りやのど越しをストレートに楽しめます。

手打ちそばの専門店や十割そばのお店では、あえてもりそばを選ぶ常連客も多いそうです。そばそのものの味を堪能したいときに試してみてください。

よくある質問

なぜざるそばのほうが値段が高いのですか?

海苔のトッピング分の差額です。かつてはつゆや麺も差別化されていたため、その名残で価格差が続いています。現在の差額は50〜100円程度のお店が多いです。

冷たいそばはすべて「ざるそば」と呼んでよいですか?

厳密には違います。冷たいそばをつゆにつけて食べるスタイルのうち、海苔がのっているものがざるそば、のっていないものがもりそばです。ただし、日常会話では冷たいそば全般を「ざるそば」と呼ぶこともあります。

「もりそば」と「せいろそば」は同じものですか?

ほぼ同じ意味で使われています。お店によって呼び方が違うだけで、冷たいそばをつゆにつけて食べるスタイルという点は共通です。

まとめ

ざるそばともりそばの違いは「海苔・つゆ・器」の3つですが、現在のお店では海苔の有無だけで区別されていることがほとんどです。

江戸時代から続く長い歴史のなかで、もりそばは「つけて食べるそば」の基本形として、ざるそばは「竹ざるに盛った高級版」として発展してきました。

現代では実質的な差は小さくなりましたが、海苔の風味を楽しむか、そば本来の香りを楽しむかという好みの違いとして残っています。次にそば屋を訪れたときは、この記事の内容を思い出しながら注文してみてくださいね。

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