初夏から夏にかけて出回る赤しそ。せっかくなら、自家製のしそジュースに挑戦してみませんか。鮮やかなルビー色のジュースは、見た目にも涼やかで夏の手仕事にぴったりです。
この記事では、しそジュースの基本の分量と作り方を、初めての方にもわかりやすく解説します。クエン酸がないときの代用方法や、青しそ(大葉)で作れるかどうか、保存のコツまでまとめました。
赤しその束を抱えて台所に立つと、まず迷うのは葉の量・酸の種類・砂糖の量の3つではないでしょうか。逆にいえば、この3つを先に決めてしまえば、あとは煮出してこすだけの単純な作業です。酸はクエン酸が定番ですが、切らしていても酢で置きかえられます。砂糖は、すぐ飲みきるか秋まで置くかで適量が変わります。迷いやすいところを、数字の目安とあわせて見ていきます。
しそジュースの作り方|基本の材料と分量
しそジュースは、赤しその葉・水・砂糖・クエン酸の4つで作れます。まずは2リットル分の基本の分量を押さえておきましょう。難しい計量はなく、覚えてしまえば毎年同じ配合で作れます。
分量は水の量を基準にすると考えやすくなります。2L分の配合を覚えておけば、半分だけ作りたいときはすべて半量にするだけで同じ味になります。赤しその束は店によって大きさに差があるので、束の数ではなく計量した重さで合わせるほうが、仕上がりが安定します。
赤しそジュースの黄金比(2L分の目安)
家庭で作りやすい、赤しそジュース(2リットル分)の基本の配合は次のとおりです。砂糖の量には幅がありますが、長く保存したい場合は多めにするのが安心です。
| 材料 | 分量(2L分) |
|---|---|
| 赤しその葉(正味) | 約300g |
| 水 | 2L(2000ml) |
| 砂糖 | 500g〜1kg(好みで調整) |
| クエン酸 | 約25g |
赤しその「正味300g」とは、茎を取り除いた葉だけの重さです。スーパーでは枝つきの束で売られていることが多いので、葉をむしったあとに計量しましょう。
クエン酸は、食用と表示のあるものを選びます。同じ名前でも掃除用として売られているものは食品に使えないため、製菓材料の売り場か薬局で食用のものを探してください。
砂糖500gや1kgという表記を見ても、家に量りがないと手が止まります。砂糖は種類によって同じ大さじ1でも重さが変わり、上白糖とグラニュー糖では目安の数字が違います。大さじ・小さじでの換算は別の記事にまとめています。

砂糖の量の決め方:すぐに飲みきるなら500g程度でさっぱりと。秋や冬まで長期保存したい場合は、水1Lあたり砂糖250g以上を目安にすると、カビが出にくくなります。
用意する道具
特別な器具は必要ありません。家庭にある調理道具でそろいます。
- 大きめの鍋(3L以上入るもの)
- ザル・ボウル
- 菜箸やお玉、ヘラ
- 保存用の清潔な瓶やペットボトル
鍋は3L以上が目安です。水2Lに葉300gが加わるとかさが増すため、余裕のある大きさのほうがふきこぼれにくく、葉を沈めるときも扱いやすくなります。
こす道具はザルだけでも足りますが、細かい葉のかけらまで取り除きたいときは、ザルにキッチンペーパーやさらしを重ねると澄んだ仕上がりになります。熱い煮汁を受けるので、ボウルにしっかり乗る大きさのものを選んでください。
保存容器は、口が広い瓶だと洗いやすく、消毒もしやすくなります。ペットボトルは注ぎやすい一方で内側を洗いにくいので、使い回さず一度で使い切るつもりで用意しましょう。
しそジュースの作り方【手順を解説】
作り方はとてもシンプルで、煮出して、こして、味をととのえるだけです。火を使う時間も短く、全体で30分ほどあれば完成します。順番に見ていきましょう。

赤しその葉を茎から外し、たっぷりの水でやさしく洗います。土やほこりを落としたら、ザルにあげて水気をきっておきましょう。
鍋に分量の水を入れて沸かし、弱火にしてから赤しそを加えます。葉を軽く押さえながら3分ほど煮ると、葉の色が抜けて緑っぽくなります。ここでザルにあげ、ヘラで押して煮汁をしっかり絞りましょう。
こした煮汁を鍋に戻して弱火にかけ、砂糖を加えて溶かします。火を止めてからクエン酸を入れると、煮汁がパッと鮮やかな赤色に変わります。よく混ぜたら完成です。
クエン酸を入れた瞬間に色が変わるのが、しそジュース作りのいちばんの見どころです。緑がかっていた液体が一気にルビー色になるので、お子さんと一緒に楽しむのもおすすめです。

色が変わる瞬間は本当にきれい!手作りならではのお楽しみです。
煮出しは、長く続ければ色が濃くなるというものではありません。葉から赤みが抜けて緑っぽく変わった時点で、色素はおおむね出きっています。そこから煮続けても増えるのはえぐみのほうなので、時計だけでなく葉の色も見て、変わったところで火を止めましょう。
こすときは、ヘラで押して絞るほど量は増えますが、力を入れすぎると細かい葉のかけらや渋みまで一緒に落ちてきます。最後にひと押しする程度にとどめ、あとは自然に落ちきるのを待つと、口当たりのよい仕上がりになります。
砂糖は煮汁が熱いうちのほうが溶けやすく、弱火にかけながら混ぜると底に沈みません。溶け残りがあると保存中に容器の底へたまるので、ヘラで鍋底をなでてざらつきが消えたのを確かめてから火を止めましょう。
クエン酸を加えたあとに、もう一度煮立てる必要はありません。余熱で混ぜれば溶けます。熱いまま容器へ移すと容器が変形したり、ふたの内側についた水滴が落ちたりするので、人肌くらいまで冷ましてから移すと安心です。
クエン酸なしで作る方法(酢・りんご酢で代用)
クエン酸が手元にないときは、酢やりんご酢で代用できます。酸味で色を引き出し、保存性を高める役割はクエン酸と同じなので、家にある酢で気軽に作れます。
酸が果たす役割は、色を引き出すことと、味を締めて日持ちを助けることの2つです。酢はこの両方を兼ねるため、置きかえても作り方の流れは変わりません。ちがうのは、酢が液体で、それ自体に香りを持っている点です。粉末のクエン酸のように分量をぴたりと決めるより、味をみながら足していくほうが好みに近づけやすくなります。
代用するときの分量
クエン酸25gの代わりに、酢を使う場合の目安は次のとおりです。砂糖は酸味とのバランスを見て調整してください。
| 使うもの | 分量の目安(2L分) |
|---|---|
| クエン酸 | 約25g |
| りんご酢 | 150〜200ml |
| 米酢・穀物酢 | 150〜200ml |
酢を入れるタイミングは2通りあります。煮立てながら加えると酢の香りは飛びやすく、火を止めてから加えると酢の風味が残ります。香りが気になる方は前者、酢の風味も楽しみたい方は後者を選んでください。
量は150mlと200mlで酸味の印象がはっきり変わります。まず150mlを混ぜて味をみて、足りなければ足していくと入れすぎを防げます。いったん入れた酸は減らせないので、少なめから始めるほうが立て直しがききます。
200mlまで入れると全体の量がその分増え、甘みは少し薄く感じられます。物足りないときは砂糖を大さじ1ずつ加え、そのつど混ぜて味をみてください。
仕上がりの違い
クエン酸はクセのないすっきりした酸味で、色も鮮やかに出ます。一方、りんご酢はほのかな果実の風味が加わり、まろやかな味わいになります。
米酢や穀物酢でも作れますが、酢特有の香りが少し残りやすいので、気になる方はりんご酢を選ぶとよいでしょう。どれを使っても、しそジュースとしておいしく仕上がります。
米酢と穀物酢は同じ量で置きかえられます。原料が違うので風味の印象には差がありますが、砂糖と合わせて薄めるしそジュースでは、どちらを選んでも大きく外すことはありません。2つの違いと料理での使い分けは次の記事で。


色の濃さを決めるのは酸の種類ではなく、酸の量と煮出しの具合です。りんご酢はうすい琥珀色をしていますが、2L分に150〜200mlであれば、できあがりの色を左右するほどではありません。
クエン酸の代わりに重曹を使うことはできません。赤しその色素は酸性で赤く、アルカリ性に傾くと青紫から青へ変わる性質があり、重曹はそのアルカリ性にあたるためです。重曹を加えると仕上がりの色は赤から遠ざかるので、色の変化そのものを観察したいとき以外は使わないでください。
青しそ(大葉)でもしそジュースは作れる?
青しそ(大葉)でもしそジュースは作れますが、赤しそのような鮮やかな赤色にはなりません。青しそには赤い色素が含まれていないため、仕上がりは黄緑〜茶色っぽい色になります。
香りはしっかり出るので、色にこだわらなければ青しそでも十分楽しめます。ただし、見た目の鮮やかさやSNS映えを重視するなら、やはり赤しそがおすすめです。
作り方の流れは赤しそと同じで、洗って煮出し、砂糖と酸を加えるだけです。ただし青しそは10枚ほどの束で売られていることが多く、赤しそと同じ正味300gをそろえるのは現実的ではありません。手に入った葉の量に合わせて水も減らし、小さめの鍋で作るほうが無理がありません。
煮出す時間も赤しそと同じ3分前後で切り上げます。長く煮ると香りより青臭さが前に出やすく、せっかくの持ち味が生きません。酸を加えても赤くはなりませんが、味は同じようにさっぱりと締まります。
赤しそが少ししか手に入らなかったときに、青しそを足して全体の量を補うという作り方もできます。色は赤しその量なりに薄くなりますが、香りは十分に立ちます。
赤しそが手に入る時期:赤しそが多く出回るのは6月から7月ごろです。梅干し作りの時期と重なるため、この時期を逃すと手に入りにくくなります。見かけたら早めに購入しましょう。
しそジュースの保存方法と日持ちの目安
しそジュースは、清潔な容器に入れて冷蔵保存するのが基本です。砂糖とクエン酸(酢)が入っているため比較的日持ちしますが、保存状態によって持ちは変わります。
日持ちを左右するのは、砂糖の量・酸の量・容器の清潔さの3点です。どれかひとつが欠けると、目安の期間より早く傷むことがあります。開け閉めの回数も効いてくるので、飲む分だけ小さな容器に移し、大きいほうはむやみに開けずにおくと持ちがよくなります。
冷蔵・冷凍で保存するコツ
保存方法ごとの日持ちの目安は次のとおりです。あくまで目安なので、味や見た目に異変を感じたら飲むのを控えてください。
| 保存方法 | 日持ちの目安 |
|---|---|
| 冷蔵 | 約1〜3か月 |
| 冷凍 | 約半年〜1年 |
長期保存したい場合は、製氷皿で凍らせて小分けにするのも便利です。飲みたい分だけ取り出して使えます。保存容器は、煮沸消毒してから使うとより安心です。
表の幅は、砂糖と酸の量、そして容器の清潔さで動きます。砂糖を控えめにしてさっぱり作ったものは短いほうの目安で、砂糖をしっかり入れたものは長いほうの目安と考えると、飲みきる予定を立てやすくなります。
冷凍するときは、容器の八分目までにとどめます。液体は凍ると体積が増えるため、口いっぱいまで入れるとふたが持ち上がったり容器が割れたりします。ペットボトルを使うなら、冷凍対応と書かれたものを選んでください。
解凍は冷蔵庫に移してゆっくり戻すのが基本で、急ぐときは容器ごと流水に当てます。一度溶けたものを凍らせ直すと風味が落ちるため、はじめから小分けにしておき、必要な分だけ出すほうが最後までおいしく飲めます。
カビ・失敗を防ぐポイント
カビや傷みを防ぐには、いくつかのコツがあります。せっかく作ったジュースを長く楽しむために、押さえておきましょう。
- 容器は煮沸消毒し、しっかり乾かしてから使う
- 取り分けるときは清潔なスプーンやお玉を使う
- 長期保存するなら砂糖を多めにする
- 直射日光の当たらない涼しい場所か冷蔵庫で保管する
傷みのサインは、見た目とにおいに出ます。表面に白い膜が張る、液が濁ってとろりと糸を引く、ふたを開けた瞬間に発酵したようなにおいが立つ。このいずれかに当てはまるものは、加熱しても元の状態には戻りません。飲むのはやめて中身を捨て、容器は洗って熱湯をかけてから次に使いましょう。
小さな気泡が立ってふたが膨らんでいる場合も、中で発酵が進んでいる合図です。砂糖を控えめにしたときや、ぬれたスプーンで取り分けたときに起こりやすいので、心当たりがあれば早めに飲みきってしまいましょう。


しそジュースのおいしい飲み方・割り方アレンジ
しそジュースは原液のままだと甘くて濃いので、好みの飲み物で割っていただきます。割り方を変えるだけで、さまざまな楽しみ方ができます。
定番は水割りですが、暑い日には炭酸水で割るとシュワっと爽やかに。原液1に対して、水や炭酸水を3〜4の割合で割るのが目安です。
- 水割り:いちばん基本。さっぱり飲みたいときに
- 炭酸割り:シュワっと爽快。夏の水分補給に
- 牛乳割り:とろりとヨーグルト風の味わいに変化
- かき氷シロップ:原液をそのままかけて
- ゼリー:ゼラチンで固めてひんやりデザートに
牛乳で割ると、クエン酸の酸味で軽くとろみがつき、ヨーグルトのような口当たりになります。意外な組み合わせですが、まろやかでおいしいので試してみてください。
割る比率は好みで動かせます。氷を入れて飲むなら少し濃いめにしておくと、氷が溶けて薄まっても最後までおいしく飲めます。食事と一緒に飲むときは、逆に薄めのほうが料理の味を邪魔しません。
牛乳割りは、時間をおくと分離して見えることがあります。作り置きせず、飲む直前に注いで軽く混ぜると、なめらかな口当たりのまま楽しめます。
ゼリーにするときは、原液のままではなく水で割った状態で固めると甘さがちょうどよくなります。粉ゼラチンの分量は製品の表示に合わせてください。
しそジュースの作り方によくある質問
- しそジュースが渋い・えぐみが出るのはなぜ?
-
赤しそを長く煮すぎると、えぐみが出やすくなります。煮出す時間は3分前後を目安にし、煮詰めすぎないようにしましょう。
- 煮出したあとの葉は使える?
-
軽く絞って乾かし、塩やゆかりのようにふりかけに活用する方法もあります。捨てる前に試してみてください。
- 砂糖をはちみつに替えてもいい?
-
はちみつでも作れますが、独特の風味が加わります。なお、1歳未満の赤ちゃんにはちみつは与えないようにしてください。
- 子どもも飲める?
-
薄めれば飲めますが、原液は甘みが強いので、水や炭酸でしっかり割ってあげると安心です。
- 煮ている途中で色が茶色っぽいのですが失敗ですか?
-
いいえ、酸を加える前の煮汁は茶色や暗い紫に見えるのが普通の状態です。赤しその色素は酸に触れてから赤く発色するため、途中の色で出来ばえを判断する必要はありません。クエン酸や酢を入れても暗いままなら酸が足りていないので、クエン酸なら小さじ1、酢なら大さじ1ほどずつ足して混ぜ、色の変わり方を見ながら調整してください。
まとめ
しそジュースは、赤しそ・水・砂糖・クエン酸の4つがあれば、家庭で手軽に作れます。クエン酸がないときは酢やりんご酢で代用でき、青しそでも色は違うものの作ることができます。
ポイントは、煮出しすぎないことと、長期保存には砂糖を多めにすること。割り方を変えれば飲み飽きずに楽しめます。
初めて作るときは、いきなり2L分を仕込まずに半量で試してみるのも手です。酸の量や甘さの好みには個人差があるので、一度作って配合をメモしておけば、次からは自分の味をそのまま再現できます。
この記事のまとめ:基本は赤しそ300g・水2L・砂糖500g〜1kg・クエン酸25g。クエン酸なしなら酢150〜200mlで代用。保存は冷蔵1〜3か月、冷凍で半年〜1年が目安です。赤しその旬は6〜7月。見かけたらぜひ手作りに挑戦してみてください。
ゆかりや塩漬けなど、ジュース以外の使い道が気になる方は、赤しそを丸ごと使い切る方法を扱ったこちらの記事もどうぞ。











