駅弁で食べたあの甘辛いいかめしを、家庭でも作れたら嬉しいですよね。じつは材料も調味料もシンプルで、押さえるべきコツさえ分かれば自宅で十分に再現できます。
この記事では、鍋・炊飯器・圧力鍋の3つの方法で作るいかめしのレシピを、失敗しないコツと一緒にまとめました。調味料の黄金比や、もち米の扱い方も具体的に紹介します。
- いかめしの基本の作り方と黄金比の調味料
- 炊飯器・圧力鍋を使った手軽なレシピ
- もち米の芯残りやいかの破裂など、よくある失敗の対処法
- 美味しく保存するコツとアレンジのアイデア
いかめしとはどんな料理?発祥と特徴を知ろう
いかめしは、いかの胴の中にもち米を詰めて甘辛いタレで煮込む郷土料理です。北海道森町が発祥で、駅弁として全国的に知られるようになりました。

いかめしの発祥は北海道森町の駅弁
いかめしは1941年(昭和16年)、北海道森町の森駅で駅弁として誕生しました。当時、阿部旅館を営んでいた阿部静子さんが、戦時中のお米不足のなかで「少しでもお米を節約できる料理」として考案したと伝えられています。
道南地域で豊漁だったスルメイカに着目したのがきっかけです。いかの胴身にお米を詰めて煮込むアイデアが、結果として多くの人に愛される一品になりました。農林水産省の郷土料理データベースにも登録されている、北海道を代表する料理のひとつです。
いかめしの基本的な特徴と美味しさの秘密
いかめしの魅力は、やわらかく煮えたいかの旨みがもち米に染み込んでいるところにあります。もっちりとしたもち米の食感と、甘辛い煮汁のコントラストが絶妙です。
味付けのベースは、しょうゆ・みりん・酒・砂糖(またはざらめ)のシンプルな組み合わせ。ざらめ糖を使うとコクが増し、駅弁らしい深みのある甘さに仕上がります。

もち米と甘辛いタレって、どうしてこんなに合うんでしょう。
いかめしの材料と下ごしらえの基本
いかめしを作るには、いか・もち米・調味料の3つが揃えば十分です。ただし、いかの選び方ともち米の下ごしらえで仕上がりが大きく変わります。
材料(2〜3杯分の分量目安)
標準的な家庭用のレシピで、いか2〜3杯分の材料は以下の通りです。
| 材料 | 分量 | ポイント |
|---|---|---|
| いか(スルメイカまたはヤリイカ) | 2〜3杯 | 胴が15cm程度のものが扱いやすい |
| もち米 | 1合(約150g) | 白米と半々にしても可 |
| しょうゆ | 大さじ3 | 濃口を使用 |
| みりん | 大さじ2 | 本みりん推奨 |
| 酒 | 大さじ2 | 臭み消しと風味付け |
| 砂糖またはざらめ | 大さじ2 | ざらめだとコクが出る |
| 水 | 300ml | いかがかぶる程度に調整 |
いかの下処理とワタの扱い方
いかは胴と足を分け、ワタを取り除くのが基本です。足の部分は付け根から引き抜き、ワタごと取り出します。軟骨も忘れずに抜き取ってください。
胴の中は流水でよく洗い、水気をしっかり切っておきます。足は食べやすい長さに切って、もち米と一緒に詰めるか、別で調理しても構いません。新鮮ないかが手に入ったら、ワタを加えて煮ると風味が一段と豊かになります。
もち米は詰めすぎないのが最大のコツ
もち米はいかの胴の6〜7分目までにとどめてください。煮込むともち米は2倍近くに膨らむため、詰めすぎると米に火が通らず芯が残ったり、いかが破裂したりします。
もち米は30分ほど水に浸してから使うと、火の通りがよくなります。浸水時間を取れない場合は、白米と半々にするのもひとつの方法です。
詰め口は爪楊枝で縫うように留めます。2〜3箇所ぬうようにすれば、煮込み中に中身が飛び出す心配がありません。
もち米と白米の違いが気になる方は、こちらの記事も参考になります。


いかめしの基本レシピ|鍋で作る王道の作り方
まずは鍋で作る基本のいかめしから紹介します。煮込み時間はかかりますが、いちばん失敗が少ない方法です。


調味料の黄金比(しょうゆ・みりん・酒・ざらめ)
いかめしの調味液は「しょうゆ3:みりん2:酒2:砂糖2」の比率が覚えやすい黄金比です。水は300mlを目安に、いかの大きさに合わせて調整してください。
甘さをしっかり出したいときは砂糖をざらめに替えると、駅弁のような深みのある味になります。しょうが薄切りを2〜3枚加えると、いかの臭みが和らいで上品に仕上がります。
鍋での煮込み手順とタイミング
詰めたいかを並べて入る大きさの鍋を用意します。いか同士が重ならないように並べてください。
水と調味料を合わせた煮汁を、いかがひたひたになるまで注ぎます。落とし蓋をすると味が均一に染み込みます。
沸騰したら弱火に落とし、30分ほど煮込みます。途中で何度か返して、全体に色がつくようにします。
火を止めたら、そのまま30分以上置いて味を含ませます。この時間がいちばん重要で、冷める過程で味がぐっと染み込みます。
味をしっかり染み込ませる仕上げのコツ
煮込み終わってすぐ食べるよりも、一度冷ましてから温め直すほうが断然美味しくなります。時間が経つほど味が馴染むため、前日に作って翌日食べるのもおすすめです。
食べる直前は、煮汁ごと弱火で温め直し、煮汁をかけながら軽く煮詰めると照りが出ます。切り分けるときは包丁を一度水で濡らすと、断面が崩れにくくなります。
炊飯器で作る簡単いかめしレシピ
鍋で煮込む時間がないときは、炊飯器を使った作り方が便利です。火加減の調整がいらず、放っておくだけで仕上がります。
炊飯器レシピの材料と手順
下処理したいかに、もち米を6分目まで詰めて爪楊枝で留めます。もち米は30分ほど水に浸してから使うと失敗が減ります。
炊飯器の内釜にしょうゆ大さじ2、みりん大さじ2、酒大さじ2、砂糖大さじ1を入れ、水を2合の目盛りまで注ぎます。
詰めたいかを釜の上にのせ、通常の炊飯モードで炊きます。炊き上がったら10分ほど蒸らして完成です。
炊飯器で作るメリットと注意点
炊飯器はほったらかし調理ができる反面、いかの数が多いと内釜に入りきりません。いか2杯までが目安で、それ以上は鍋か圧力鍋を選んでください。
炊飯器メーカーによっては、煮物モードがついている機種もあります。お手持ちの説明書を確認し、対応するモードがあればそちらを優先しましょう。
炊き込みご飯の要領でいかめし風に仕上げるアレンジは、こちらの記事でも紹介しています。


圧力鍋で作るふっくらいかめしレシピ
短時間でやわらかく仕上げたいなら、圧力鍋が最適です。加圧時間を守れば、いかはとろけるようにやわらかく、もち米はふっくら仕上がります。
圧力鍋での加圧時間と手順
もち米を詰めたいかを圧力鍋に並べ、水300mlと調味料(しょうゆ大さじ3・みりん大さじ2・酒大さじ2・ざらめ大さじ2)を加えます。
蓋をして強火にかけ、圧がかかったら弱火にして15分加圧します。低圧の場合は18分が目安です。
加圧が終わったら火を止め、圧が自然に抜けるまで待ちます。無理に圧を抜かないのがポイントです。
ピンが下がってから30分置くのが美味しさの秘訣
圧力鍋で作る際に最も大切なのは、加圧後の「休ませ時間」です。ピンが下がって蓋を開けたら、すぐに取り出さず、そのまま30分以上置いておきます。
この時間に煮汁が冷めながらもち米といかに染み込み、味がぐっと深まります。時間の余裕があれば、前日に作って翌日温め直すのが一番美味しい食べ方です。



圧力鍋だと、お店のような柔らかさに仕上がります。
いかめし作りでよくある失敗と対処法
いかめし作りでつまずきやすいポイントは、ほぼパターンが決まっています。事前に知っておけば、初めてでも失敗を防げます。
もち米に芯が残ってしまう原因と対処
もち米に芯が残る最大の原因は「詰めすぎ」です。もち米は煮込むと1.5〜2倍に膨らむため、いかの6〜7分目までに抑えることが重要です。
詰める前にもち米を30分以上水に浸しておくと、火が通りやすくなります。それでも芯が残る場合は、煮汁を足してもう10分煮込むか、一度取り出してレンジで1分温めるとリカバリーできます。
いかが破裂・縮む原因と対処
いかが破裂する原因は、もち米の詰めすぎと急激な加熱のどちらかです。詰め方を見直し、沸騰したらすぐ弱火に落とすことで防げます。
いかが縮んでしまう場合は、煮込み時間が長すぎるか火が強すぎる可能性があります。圧力鍋なら加圧時間を守り、鍋なら弱火〜中火をキープしてください。爪楊枝で数箇所留めておくと、煮込み中の型崩れも抑えられます。
味が薄い・固くなる場合の対処
- 味が薄い:煮汁を半量まで煮詰めて再度かける
- 味が濃すぎる:お湯を加えて薄めて煮直す
- いかが固い:煮汁ごと10分追加で煮込む
- もち米が固い:煮汁を足して弱火で10分追加
できあがった直後は味が薄く感じても、冷ます過程で味が染み込みます。すぐ判断せず、一度冷ましてから味を確認するのがおすすめです。
いかめしを美味しく食べるアレンジと保存方法
いかめしは一度にたくさん作っておけるのが嬉しいところ。保存方法とアレンジのコツを押さえておけば、数日にわたって楽しめます。
冷蔵・冷凍保存の方法と日持ち
| 保存方法 | 日持ちの目安 | 解凍・温め方 |
|---|---|---|
| 冷蔵(煮汁ごと) | 2〜3日 | 鍋で弱火で温め直す |
| 冷凍(1本ずつラップ) | 約1か月 | 冷蔵庫で自然解凍後、温める |
冷蔵保存の場合は、煮汁ごと密閉容器に入れておくと乾燥を防げます。冷凍するときは1本ずつラップに包み、フリーザーバッグにまとめて入れると、使いたい分だけ取り出せて便利です。
食べきれない時のアレンジアイデア
残ったいかめしは、そのまま温め直すだけでも十分美味しいですが、アレンジすれば別の料理として楽しめます。輪切りにして焼きおにぎり風に炙ったり、細かく刻んで出汁を注げば簡単な茶漬けになります。
卵とじにしてご飯に乗せる「いかめし丼」もおすすめです。煮汁も活用すれば、味付けの手間が省けて時短になります。



作り置きしておくと、忙しい日の夕食にも重宝します。
よくある質問
- いかめしはスルメイカとヤリイカのどちらがいいですか?
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どちらでも作れますが、スルメイカのほうがコリコリとした食感でしっかり味を受け止めます。やわらかい食感が好みならヤリイカもおすすめです。
- もち米の代わりに白米でも作れますか?
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白米でも作れますが、もっちり感は弱くなります。もち米と白米を半々にすると、扱いやすさと食感のバランスが取れます。
- 煮汁はどのくらい煮詰めればいいですか?
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いかの半分がつかる程度まで煮詰めると、味がよく染み込みます。煮詰めすぎると塩辛くなるので、途中で味を確認しながら調整してください。
- 子ども向けに甘めにしたい場合はどうすればいいですか?
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砂糖またはざらめを大さじ1増やし、しょうゆを大さじ半分減らすとマイルドな味になります。みりんを多めにするとコクが出て甘さが引き立ちます。
まとめ|いかめしレシピで失敗しない3つのポイント
いかめしを家庭で美味しく作るために、押さえておきたいポイントは次の3つです。
- もち米はいかの胴の6〜7分目までにとどめる(詰めすぎ厳禁)
- 調味料は「しょうゆ3:みりん2:酒2:砂糖2」の黄金比を守る
- 火を止めてから30分以上休ませて味を染み込ませる
北海道森町で生まれたいかめしは、シンプルな材料で作れる昔ながらの一品です。鍋・炊飯器・圧力鍋と、ご家庭の調理器具に合わせて方法を選べるのも嬉しいところ。
この記事で紹介した黄金比と失敗対処法を押さえれば、初めてでも満足のいく仕上がりになります。駅弁の味を思い出しながら、ぜひ気軽に作ってみてください。




