ローストビーフのお店やレシピで「レホール」という言葉を見かけて、これは何だろうと思ったことはありませんか。じつはレホールは、特別な高級食材ではありません。スーパーでもおなじみの、ある薬味の別名です。
この記事では、レホールの正体から本わさびとの違い、家庭での使い方や保存方法まで、まとめて分かりやすく解説します。読み終えるころには、レホールをもっと気軽に楽しめるようになります。
急いで答えだけ確かめたい方は、最初の見出しだけでも足ります。呼び名の使い分けや売り場の探し方まで知りたい方は、後半の章まで順に追うと全体像がつかめます。
レホールとは?まずは正体をかんたんに
結論からお伝えすると、レホールとは「西洋わさび」のことです。英語名のホースラディッシュ(horseradish)でも知られています。すりおろすとツンとした辛味が立ち、肉料理の薬味として親しまれています。
料理での位置づけは、和食のわさびや洋食のマスタードと同じ「肉や魚に添える薬味」の枠です。素材そのものを主役にするのではなく、主菜に少量そえることで料理の味わいに強弱をつける役目を担います。メニューに「レホール添え」とあれば、辛味のある薬味が添えられていると読み取れます。

レホール=西洋わさび(ホースラディッシュ)
「レホール」は、フランス語の raifort(レフォール)が日本語風に読まれた呼び方です。フランス語、英語、日本語で呼び名が変わるだけで、指しているものは同じ植物です。整理すると次のようになります。
- レホール/レフォール:フランス語由来の呼び名
- ホースラディッシュ:英語の呼び名
- 西洋わさび:日本語の正式な名前
アブラナ科の植物で、淡い黄白色をした根の部分をすりおろして使います。原産はヨーロッパの東南部とされ、寒さに強いのが特徴です。
フランス語の raifort は、「根」を意味する語と「強い」を意味する語が組み合わさってできた呼び名です。掘り出した根が強い辛味を持つという素材の特徴が、そのまま名前になっています。英語のホースラディッシュにも根菜を指す radish が含まれており、どちらの言語でも根そのものに目を向けた名づけになっています。
「山わさび」とも呼ばれるのはなぜ?
北海道では、レホールは「山わさび」という名前で親しまれています。明治時代に日本へ伝わり、栽培に適した北海道で広まったことが理由です。畑だけでなく野生化したものも見られ、現地では身近な薬味になっています。
「わさび大根」という別名もあり、呼び名はさらに枝分かれします。どれも同じ植物を指すので、産直市場や通販で表示が違っても別の野菜と考える必要はありません。一方で、レホールという表記が目立つのは飲食店のメニューや料理名のほうで、野菜として並ぶときは山わさびや西洋わさびの表示が使われることが多くなります。

お店で見る「レホール」も、北海道の「山わさび」も、英語の「ホースラディッシュ」も、ぜんぶ同じ西洋わさびのことなんですね。
レホールと本わさび(日本のわさび)の違い
レホールと、日本でなじみのある本わさびは、見た目も性質も別ものです。同じ「わさび」という名前がついていますが、植物としては近い仲間でありながら、辛味や香り、扱いやすさに違いがあります。
両者を分けて知っておくと役に立つのは、値段と手に入りやすさの差が大きいからです。本わさびの生の根は扱う店が限られ、価格も高めになります。レホールは加工品として通年出回るぶん、ふだんの食卓で辛味を足す役には使いやすい素材です。
辛味と香りの違い
どちらもツンと鼻に抜ける辛味があり、辛味のもとになる成分も共通しています。ただ、レホールは本わさびにくらべて辛味がややマイルドで、香りには大根に似た風味が混じります。本わさびのほうが、より上品ですっきりした香りといえます。
すりおろしてから時間がたつと辛味は飛びやすくなります。これはレホールも本わさびも同じで、食べる直前にすりおろすのがおいしさのコツです。
辛味が弱まるのは、すりおろしてからの時間だけではありません。熱にも弱く、火にかけた料理へ早い段階で加えると、ツンとした刺激はほとんど残らず、穏やかな風味だけが残ります。辛味を立たせたい料理では、火を止めてから、あるいは器に盛ってから加える形が向いています。
原料・色・見た目の違い
本わさびは渓流のそばなど、きれいな水のある場所で育つデリケートな植物です。一方のレホールは畑で育ち、根は本わさびより大きく太いのが特徴です。色は本わさびが緑がかっているのに対し、レホールは白っぽい仕上がりになります。
すりおろしたときの質感にも差が出ます。本わさびは粘りが出てなめらかにまとまるのに対し、レホールは繊維が残って粗い口当たりになりやすく、肉にのせたときに形が崩れにくいという違いがあります。市販のチューブ入りは水分やとろみの調整が入っているため、この差がはっきり出るのは生の根どうしを比べたときです。
主な違いを表にまとめました。
| 項目 | レホール(西洋わさび) | 本わさび(日本のわさび) |
|---|---|---|
| 色 | 白〜淡い黄白色 | 淡い緑色 |
| 辛味 | 強いがややマイルド | 強くシャープ |
| 香り | 大根に近い風味 | すっきりした清涼感 |
| 育つ場所 | 畑(寒さに強い) | 清流のそば |
| 主な用途 | 肉料理の薬味・ソース | 刺身・寿司・そば |
ちなみに、市販のチューブわさびの多くは、本わさびではなくこのレホール(西洋わさび)を主原料にしています。緑色は着色によるものです。
レホールの使い方|ローストビーフだけじゃない
レホールの定番はローストビーフの薬味ですが、使い道はそれだけではありません。マイルドな辛味と肉との相性のよさを生かせば、家庭の料理でも活躍します。ここでは取り入れやすい使い方を紹介します。
本場のヨーロッパでは、ローストビーフ以外の料理にも広く使われてきました。オーストリアの「ターフェルシュピッツ」と呼ばれるゆで牛肉の料理では、すりおろしたレホールやそれを使ったソースが定番の付け合わせになっています。北欧でも、燻製や塩漬けにした鮭に合わせるソースとして使われます。合わせる相手はいずれも味のはっきりした主菜で、だしの香りを生かす煮物や吸い物では辛味のほうが前に出てしまいます。


定番はローストビーフ・ステーキの薬味
もっとも王道なのが、ローストビーフやステーキに添える使い方です。すりおろしたレホールをそのまま肉にのせると、辛味と香りが脂のうまみを引き立て、後味がさっぱりとします。
少量から試して、好みの量に調整してみてください。一度に多くのせると辛味が強く出ることがあります。
盛り付けは、肉の上に広げるより、皿の端に小さく盛る形が扱いやすくなります。一切れごとに付ける量を変えられるので、辛味が得意な人とそうでない人が一つの皿を囲むときにも困りません。グレイビーソースや粒マスタードがすでに添えられているときは、味が重なってぼやけるため、レホールはさらに控えめにします。
ステーキにソースも添えたいときは、玉ねぎを炒めて煮詰めるシャリアピンソースが定番です。


ソースや調味料と合わせるアレンジ
レホールは、ほかの調味料と合わせることでぐっと使いやすくなります。辛味がやわらぎ、コクが加わるので、辛いものが苦手な人にもおすすめです。代表的な組み合わせは次のとおりです。
- マヨネーズと混ぜて、サンドイッチやローストビーフのソースに
- 生クリームやサワークリームと合わせて、肉や魚のクリームソースに
- しょうゆやオリーブオイルと混ぜて、和風・洋風のドレッシングに
- マッシュポテトに少量加えて、味のアクセントに
ローストビーフ店で添えられる「レホールソース」「ホースラディッシュソース」は、すりおろしたレホールに、生クリームやサワークリームなどのクリーム系、レモン汁や酢などの酸味、そして塩を合わせた形が基本です。クリーム系の量はレホールと同量から3倍程度まで幅があり、辛味をどれだけ残したいかで決まります。クリームが辛味を包み、酸味が全体を締めるという役割分担で、粒マスタードを少量加えるレシピも多く見られます。マヨネーズひとつで代用できるのは、油分と酸味を最初から併せ持っているからです。
ドレッシングに混ぜる場合は、油分の多いタイプほど辛味が丸くなり、ノンオイルのタイプでは刺激がそのまま出ます。加える量が変わらなくても仕上がりの辛さが違ってくるのは、この差によるものです。
混ぜる相手のドレッシングを手作りするなら、玉ねぎをすりおろして作るタイプから始められます。


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レホールの保存方法と日持ち
レホールは、デリケートな本わさびにくらべて保存性が高いのが利点です。乾燥を防いで正しく保存すれば、生のままでも比較的長く楽しめます。冷蔵と冷凍、それぞれのコツを押さえておきましょう。
保存で気をつけたいのは、水分が抜けることと、切り口が空気に触れ続けることの二つです。乾いた根はすりおろしても粉っぽくなり、香りの立ち方が変わります。丸ごと一本の状態、使いかけで切り口が出ている状態、すりおろし済みの状態では、傷み方も日持ちも別ものです。切り口が乾いて色が変わった部分は、薄く削り落としてから使います。
冷蔵での保存と期間
生のレホールは、乾燥させないことがいちばんのポイントです。ラップで包むか保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。この方法なら、目安として1〜2か月ほど保存できるとされています。
使いかけの根は、切った面をラップでぴったり覆ってから全体を包むと、乾き方がゆるやかになります。湿らせたキッチンペーパーで巻いてから保存袋に入れる方法も、乾燥が気になるときに向いています。野菜室が向いているのは、冷蔵室より温度が高めで湿度も保たれやすく、ほかの根菜と同じ環境に置けるためです。香りの強い食品と並べると匂いが移ることがあるので、袋の口はしっかり閉じます。
保存のポイント:すりおろした後は辛味も風味も飛びやすくなります。できるだけ「使う分だけ、その都度すりおろす」のがおすすめです。
冷凍保存のコツ
長く保存したいときは冷凍が向いています。すりおろしてから小分けにして冷凍しておくと、使うときに便利です。使う分だけ取り出せるよう、ラップで薄く平らに包むか、製氷皿で小分けにすると扱いやすくなります。冷凍した場合は、3か月ほどを目安に使い切るとよいでしょう。
解凍は、料理に使う直前に必要な分だけ。自然解凍で十分使えます。
すりおろさずに、使いやすい大きさに切って丸のまま凍らせることもできます。凍った状態ですりおろせるので、必要な量だけその場で用意でき、残りはすぐ冷凍庫に戻せます。すりおろしてから凍らせたものは、解けると水分が出て水っぽくなりやすいため、そのまま添えるよりソースに混ぜる用途に回すと気になりません。冷凍しても辛味は少しずつ抜けていくので、期間の目安は「食べられる上限」ではなく「おいしく使える範囲」として考えます。
レホールはどこで買える?市販品のタイプ
生のレホール(西洋わさびの根)は、一般的なスーパーでは見かける機会が多くありません。手に入りやすいのは、加工された市販品です。主に次のようなタイプがあります。
- チューブタイプ:すりおろし済みで手軽。冷蔵コーナーや調味料売り場にあることが多い
- 瓶詰めタイプ:ローストビーフ用として売られる、酢などで調味されたもの
- 乾燥・パウダータイプ:水で戻して使う輸入食材店向けのもの
瓶詰めには、すりおろしただけのものと、クリームなどを合わせた「ソース」タイプの両方があります。商品名に「ソース」と入っているものは味が仕上がっている分、自分で配合を決めたい場合は、すりおろしだけのタイプを選ぶほうが調整の幅が広がります。
生の根を探す場合は、北海道産の「山わさび」として、産直市場やネット通販、輸入食材を扱うお店で見つかることがあります。まずは身近なチューブタイプから試してみるのが手軽です。
よくある質問
- レホールとわさびは同じものですか?
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厳密には別の植物です。レホールは「西洋わさび(ホースラディッシュ)」を指し、日本の本わさびとは品種が異なります。ただし、市販のチューブわさびの多くはレホールを主原料にしているため、味は近いものになっています。
- レホールは緑色ではないのですか?
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生のレホールは白っぽい色です。市販のチューブわさびが緑色なのは、着色によるものです。レホール自体に緑色の成分はありません。
- レホールの辛味が強すぎるときはどうすればいいですか?
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マヨネーズや生クリーム、サワークリームと混ぜると辛味がやわらぎます。少量ずつ加えて、好みの辛さに調整してみてください。
- 生のレホールは皮をむいてから使うのですか?
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皮はむいてから使います。土の香りが残りやすく、外側は乾いて硬くなっていることが多いためです。表面を薄くむき、筋張った先端やひげ根を落とせば下ごしらえは終わりです。おろし金は目が細かいほど辛味が強く立つので、辛さを抑えたいときは目の粗いものを選びます。おろしている最中は刺激のある成分が立ちのぼるため、顔を近づけすぎないようにします。
- 北海道の「山わさび醤油漬け」は家庭でも作れますか?
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すりおろした山わさびをしょうゆに漬けるだけなので、家庭でも用意できます。しょうゆに本みりんや酒を少し合わせると角がやわらぎ、ごはんに寄せた味になります。炊きたてのごはんにのせるのが北海道での定番ですが、冷ややっこや焼いた肉にのせても合います。市販の瓶詰めも同じ名前で売られているので、好みの味の方向を確かめてから作るという順番も選べます。
まとめ:レホールは「西洋わさび」の別名



名前は聞き慣れなくても、中身はおなじみの西洋わさび。これでメニューやレシピで見かけても迷いませんね。
レホールは「西洋わさび(ホースラディッシュ)」の別名で、北海道では「山わさび」とも呼ばれます。本わさびよりマイルドな辛味で、ローストビーフをはじめ肉料理の薬味として活躍します。
マヨネーズやクリームと合わせれば使い道はぐっと広がり、保存性が高いので冷蔵・冷凍でじっくり楽しめます。まずは手に入りやすいチューブタイプから、料理のアクセントに取り入れてみてください。










