お月見の日が近づいて「今年は月見団子を手作りしてみよう」と思っても、売り場には上新粉・白玉粉・だんご粉が並んでいて、どれを買えばいいのか迷いますよね。せっかく作ったのに、翌日にはカチカチになっていたという話もよく聞きます。この記事では、粉ごとの食感の違い、15個分の分量と手順、割れる・べたつく・固くなるといった失敗の直し方、お供えしたあとの保存と食べ方までまとめました。迷ったらだんご粉か、白玉粉に豆腐を混ぜる方法を選ぶと、冷めてもやわらかく仕上がります。
月見団子とは|十五夜・十三夜に供える丸い団子
月見団子は、秋の月見の夜に供える団子です。丸い形は満月を表していて、ススキや秋の収穫物と一緒に並べ、月を眺めたあとに下げていただきます。十五夜は里芋を供えることから「芋名月」とも呼ばれ、団子はもともと里芋に代わるものだったという見方もあります。
形は地域によって違います。関東では白くて丸い団子が一般的ですが、関西では里芋に似せた細長い団子にこしあんを巻いたものが多く見られます。この記事では、どの地域でも作りやすい丸い団子を基本に説明します。

2026年はいつ供える?十五夜9月25日・十三夜10月23日
月見団子を供える日は、年に2回あります。旧暦8月15日の十五夜(中秋の名月)と、旧暦9月13日の十三夜です。2026年は十五夜が9月25日(金)、十三夜が10月23日(金)にあたります。
十三夜は「後(のち)の月」とも呼ばれ、十五夜と対になる月見です。どちらか一方だけ月見をすることを「片見月」と呼び、縁起がよくないとする言い伝えもあります。十五夜に作りそびれた方は、十三夜に合わせて作ってみてください。
数と積み方の基本(15個は9・4・2)
数は十五夜なら15個、十三夜なら13個が基本です。その年の月の数(12個、閏月のある年は13個)にそろえる考え方もあり、どちらでも間違いではありません。数を減らしたいときは、十五夜は5個、十三夜は3個に省略する方法もあります。
15個を積むときは、1段目に9個(3×3)、2段目に4個(2×2)、いちばん上に2個を置きます。13個なら1段目9個・2段目4個の2段です。積むことを考えると、やわらかすぎる団子はつぶれやすいので、次の章の粉選びも「積むかどうか」で考えると決めやすくなります。行事全体の流れは、次の記事にまとめています。

月見団子に使う粉の違い|上新粉・白玉粉・だんご粉
月見団子の食感は、ほぼ粉の種類で決まります。原料の米が「うるち米」か「もち米」か、その配合の違いが、歯切れ・やわらかさ・冷めたあとの固さに表れます。まずは4つの選択肢を表で比べてみましょう。
| 粉 | 原料 | 食感 | 冷めたあと | こね方 |
|---|---|---|---|---|
| 上新粉 | うるち米 | 歯切れがよく、弾力がある | 固くなりやすい | 熱湯でこね、蒸すかゆでる |
| 白玉粉 | もち米 | もちもちで、なめらか | 比較的やわらかい | 水でこねてゆでる |
| だんご粉 | うるち米+もち米 | 上新粉と白玉粉の中間 | 固くなりにくい | 水かぬるま湯でこねてゆでる |
| 白玉粉+豆腐 | もち米+大豆 | ふんわりやわらかい | 固くなりにくい | 水を使わず豆腐でこねる |
上新粉:歯切れがよい昔ながらの食感
上新粉は、うるち米(ふだん炊いて食べているお米)を粉にしたものです。団子にすると歯切れがよく、しっかりした弾力が出ます。みたらし団子や柏餅にも使われる粉で、昔ながらの月見団子らしい食感になります。
形がくずれにくいので、ピラミッド型に積むには向いています。一方で、時間がたつと固くなりやすいのが弱点です。お供えしたあと翌日に食べる予定なら、固くなった団子を戻す手間(後述)を見込んでおきましょう。うるち米ともち米の違いは、こちらで詳しく解説しています。

白玉粉:もちもちでやわらかい、ただし積むとつぶれやすい
白玉粉は、もち米を水に浸けてからすりつぶし、乾燥させた粉です。ゆでるとつるんとなめらかで、もちもちした食感になります。水でこねてゆでるだけなので、4つの中ではいちばん手軽です。
やわらかさが魅力の反面、重ねると下の段がつぶれて形がゆがみやすくなります。高く積みたいときは、1個を小さめに丸めるか、1段だけ並べる置き方にすると安心です。袋の中で粒状に固まっていることがありますが、水を加えてこねれば自然にほぐれます。
だんご粉・豆腐入り:冷めても固くなりにくい
だんご粉は、うるち米ともち米をブレンドした粉です。上新粉の歯切れと白玉粉のやわらかさの中間で、冷めても固くなりにくく、積んでも形がくずれにくいのが特長です。配合はメーカーによって違うので、水の量は袋の表示を優先してください。
もうひとつの方法が、白玉粉に絹ごし豆腐を混ぜる作り方です。水の代わりに豆腐の水分でこねるため、水加減の失敗が起きにくく、時間がたってもふんわりしています。豆腐の味はほとんど気になりません。分量の目安は、白玉粉と豆腐がほぼ同量か、豆腐を少し多めにする程度です。
見た目と積みやすさを重視するなら上新粉、手軽さなら白玉粉、「翌日もやわらかく食べたい」ならだんご粉か豆腐入り、と覚えておくと選びやすくなります。
月見団子の基本の作り方|15個分の分量と手順

ここでは、失敗が少なく冷めてもやわらかいだんご粉で、15個分を作る手順を紹介します。こねる・丸める・ゆでる・冷ますの4工程で、慣れれば30分ほどで仕上がります。
材料(15個分)
- だんご粉……150g
- 水またはぬるま湯……約130ml(袋の表示に合わせて加減)
- ゆでるための湯……たっぷり
- 冷水(氷水)……ボウル1杯分
この分量で、直径3cm前後の団子が15個できます。豆腐入りで作る場合は、白玉粉150gに対して絹ごし豆腐150〜170gが目安です。水は使わず、豆腐だけでこね始めてください。
作り方の手順
ボウルにだんご粉を入れ、水を3回ほどに分けて加えながら手でこねます。一度に全量を入れると、やわらかくなりすぎたときに戻せません。耳たぶくらいのやわらかさで、手にくっつかなくなれば完成です。
生地を棒状にのばし、15等分に切り分けます。キッチンスケールで1個あたり18g前後にそろえると、積んだときの見た目がきれいです。手のひらで転がして表面がなめらかな球にし、乾かないようにぬれ布巾をかけておきます。
たっぷりの湯を沸かし、団子を入れます。鍋底にくっつかないよう、入れた直後に一度だけ静かに混ぜてください。団子が浮き上がってきたら、さらに2〜3分ゆでて中まで火を通します。一度に入れすぎると湯の温度が下がるので、2回に分けても構いません。
ゆで上がった団子を網じゃくしですくい、冷水に入れて粗熱をとります。表面が引き締まり、つやが出ます。冷えたらざるに上げ、キッチンペーパーの上で水気をきってから積みましょう。水気が残っていると団子どうしがくっつきます。
上新粉で作るときは熱湯でこねる
上新粉は、水ではまとまりにくい粉です。熱湯を少しずつ加えながら、へらで混ぜてから手でこねます。やけどに気をつけ、手で触れる温度まで下がってからこねてください。
加熱は蒸すのが基本です。生地を平たくちぎって、ぬれ布巾を敷いた蒸し器で20分ほど蒸します。蒸し上がったら布巾ごと包んでもう一度こね、なめらかにしてから15個に丸めます。蒸し器がない場合は、平たくちぎった生地をゆで、浮いてから2〜3分で引き上げてこね直す方法でも作れます。
失敗しないコツ|割れる・べたつく・固くなるときの直し方
月見団子の失敗は、ほとんどが「水加減」と「火の通し方」から起きます。症状ごとに原因と直し方をまとめたので、作っている途中で困ったときに見返してください。
| 症状 | 主な原因 | 直し方・予防 |
|---|---|---|
| 丸めるとひびが入る | 水が少ない | 水を小さじ1ずつ足してこね直す |
| 手にべたつく・形が保てない | 水が多い | 粉を小さじ1ずつ足す |
| 中心に白い芯が残る | ゆで時間が短い・団子が大きい | 浮いてから2〜3分待つ。大きさをそろえる |
| 表面が溶けてぬるぬるする | ゆですぎ・湯の中で混ぜすぎ | 浮いたら時間を計り、混ぜるのは最初の一度だけ |
| 積むと下がつぶれる | 生地がやわらかすぎる・水気が残っている | やや固めにこね、水気をしっかりきる |
| 翌日に固くなった | でんぷんが時間とともに固くなる | レンジかゆで直しで戻す(次の章) |
いちばん多いのは、水を一度に入れてべたつかせてしまう失敗です。粉を足せば直りますが、足しすぎると今度はひび割れの原因になります。水は「少し足りないかな」くらいで止め、様子を見ながら加えるのが結局は早道です。
ひび割れた団子は、そのままゆでると割れ目から崩れることがあります。丸めた段階でひびが目立つなら、生地をまとめ直して水を足してください。ゆでたあとに気づいた場合は、見えにくい面を下にして積めば、お供えとしては問題ありません。
- 水は3回に分ける……耳たぶくらいのやわらかさを目指し、最後の1回で調整する
- 重さをそろえる……大きさがそろうとゆで時間もそろい、芯残りが防げる
- 浮いてから時間を計る……浮いた時点ではまだ中が生のことがある
月見団子の保存方法と日持ち|お供えした後の扱い
手作りの月見団子は、作った当日に食べきるのが基本です。お供えは夜の間だけにして、下げたら早めにいただきましょう。食べきれない分は、冷蔵庫ではなく冷凍庫で保存するのがおすすめです。
常温・冷蔵・冷凍の目安
団子が固くなるのは、米のでんぷんが冷えると水分を手放して固まる「老化」という性質のためです。この変化は冷蔵庫くらいの温度(0〜5℃前後)で特に進みやすく、冷凍すると進みにくくなります。冷蔵庫に入れると、翌日には芯まで固くなることが多いのはこのためです。
| 保存方法 | 日持ちの目安(手作り) | ポイント |
|---|---|---|
| 常温 | 当日中 | 乾燥しないようラップをかけ、直射日光を避ける。気温が高い日は長く置かない |
| 冷蔵 | 翌日まで | 固くなりやすいので、食べる前に温め直す |
| 冷凍 | 2週間〜1か月 | ゆでて水気をきり、1個ずつラップして保存袋へ |
日持ちはあくまで目安です。においや糸を引くようなぬめり、表面のカビなど、いつもと違う様子があれば食べずに処分してください。市販の月見団子は、パッケージの消費期限に従います。9月はまだ気温が高い日もあるので、窓辺や屋外に長時間置いた団子は、見た目に変化がなくても早めに下げておくと安心です。
固くなった団子を戻す方法(レンジ・ゆで直し)
固くなった団子も、温め直せばやわらかさが戻ります。老化したでんぷんは、加熱すると再び水分を抱え込むためです。方法は2つあります。
- 電子レンジ……団子をさっと水にくぐらせて耐熱皿にのせ、ふんわりラップをかけて600Wで10〜20秒ずつ様子を見ながら温める
- ゆで直し……沸騰した湯に入れ、浮いてきてから30秒〜1分ほどで引き上げる
レンジは加熱しすぎると、団子がふくらんで破裂したり、表面が固くなったりします。短い時間で区切り、指で押して弾力が戻ったら止めてください。冷凍した団子は、凍ったまま熱湯に入れ、浮いてから1〜2分ゆでれば戻せます。温め直した団子は時間がたつとまた固くなるので、食べる直前に戻すのがコツです。
お供えした後の食べ方|みたらし・きな粉・焼き団子

月見団子は味をつけずに作るので、下げたあとは好みの味で楽しめます。ここでは家にある調味料でできる食べ方を紹介します。温め直した団子に合わせれば、固くなった団子もおいしく食べきれます。
みたらしあん・きな粉・あんこ
定番はみたらしあんです。小鍋に水大さじ4、砂糖大さじ2、しょうゆ大さじ1、片栗粉小さじ1を入れてよく混ぜ、中火でとろみがつくまで混ぜながら温めます。15個分の団子にちょうどよい量です。
もっと手軽なのは、きな粉に同量の砂糖とひとつまみの塩を混ぜてまぶす食べ方です。市販のゆであずきやこしあんを添えれば、すぐにあんこ団子になります。ゆであずきを水でのばして温め、団子を入れればぜんざい風にもなります。
焼いて香ばしく食べる
固くなった団子は、焼くと香ばしさが加わります。フライパンに薄く油をひき、中火で転がしながら表面に焼き色をつけてください。しょうゆを少し垂らして絡めれば焼き団子、砂糖じょうゆなら甘辛い味になります。串に3〜4個ずつ刺してから焼くと、返しやすく見た目もお団子屋さんのようになります。
十三夜の月見団子は、栗や枝豆と一緒に供えるのが習わしです。10月の月見に向けた行事食は、次の記事で紹介しています。

月見団子に関するよくある質問
- 月見団子は何個供えればいいですか?
-
十五夜は15個、十三夜は13個が基本です。その年の月の数にそろえて12個(閏月のある年は13個)とする考え方もあります。量を減らしたいときは、十五夜なら5個、十三夜なら3個でも構いません。
- 月見団子は前日に作っておけますか?
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作れますが、上新粉や白玉粉だけの団子は翌日には固くなりやすいので、当日に作るのがおすすめです。前日に作るなら、冷めても固くなりにくいだんご粉か、豆腐入りの生地を選ぶと食感を保ちやすくなります。
- 上新粉と白玉粉を混ぜて作ってもいいですか?
-
混ぜて作れます。上新粉の歯切れと白玉粉のやわらかさを両方活かせる組み合わせで、だんご粉に近い食感になります。混ぜる割合で食感が変わるので、最初は同量から試してみてください。
- お供えした月見団子はいつ下げて食べればいいですか?
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月を眺め終えたら下げて、その日のうちに食べるのが一般的です。月の恵みに感謝していただくという意味もあります。食べきれない分は、固くなる前に冷凍しておきましょう。
- 市販の月見団子でもお供えになりますか?
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市販品でも問題ありません。和菓子店やスーパーでは、お月見の時期に積みやすい形の団子や、三方(台)がセットになった商品も見かけます。手作りする時間がない年は、市販品で月見を楽しむのも一つの方法です。
まとめ|粉を選べば月見団子は失敗しない
月見団子の仕上がりは、粉選びでほとんど決まります。歯切れと積みやすさなら上新粉、手軽さなら白玉粉、冷めてもやわらかく食べたいならだんご粉か豆腐入りが向いています。
- 2026年は十五夜が9月25日、十三夜が10月23日。数は15個と13個が基本
- 水は3回に分けて加え、耳たぶくらいのやわらかさにこねる
- ゆでるときは、浮いてから2〜3分待って中まで火を通す
- 保存は当日中が基本。残りは冷蔵より冷凍が向く
- 固くなったら、レンジかゆで直しで戻してから味をつける
十五夜に作りそびれても、十三夜がもう一度の機会です。今年は粉を選ぶところから、月見団子作りを楽しんでみてください。
