鶏ガラスープの作り方|臭みなし黄金スープのコツと活用法

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ラーメンや中華スープのベースに欠かせない鶏ガラスープ。お店のような透き通った黄金色のスープを、自宅で作ってみたいと思ったことはありませんか。

鶏ガラスープは、いくつかのコツさえ押さえれば家庭でも本格的に仕上がります。逆に下処理を雑にすると、生臭くて濁ったスープになってしまうのも事実です。

この記事では、鶏ガラの下処理から煮込み方、透き通らせるコツ、鶏ガラがないときの代用レシピ、保存・活用法まで一通りまとめました。はじめての方でも失敗しにくい手順で解説します。

市販の「鶏ガラスープの素」とは別物の、奥行きのある味になりますよ。

目次

鶏ガラスープとは?市販の素との違い

鶏ガラスープとは、鶏の骨(ガラ)を煮出して旨味を抽出した出汁のことです。ラーメン・中華スープ・鍋・炊き込みご飯など、和洋中を問わず幅広く使えます。

ガラとは、精肉のときに身を外したあとに残る骨格の部分を指します。首まわりや背骨、胸骨、肋骨などがまとめて一羽分として扱われ、骨のまわりにはわずかな身と軟骨が付いています。

骨や軟骨のまわりに残る成分は、短い加熱では出きりません。弱火で時間をかけるほど少しずつ溶け出し、顆粒タイプでは出しにくい口当たりの厚みにつながります。

鶏ガラスープと「鶏ガラスープの素」の違い

同じ名前でも、自家製の鶏ガラスープと市販の「鶏ガラスープの素」は中身が大きく異なります。市販品は塩分や調味料で味を調えた顆粒タイプが主流で、手軽さが魅力です。

一方、鶏ガラから取ったスープは、塩分が少なく旨味とコクの層が厚いのが特徴です。料理に合わせて味付けを調整できる自由度の高さが、自家製ならではの強みといえます。

比べる点自家製の鶏ガラスープ鶏ガラスープの素
塩分ほぼ入らない(後から調整)あらかじめ含まれている
味の方向鶏の香りとコクが前に出るいつも同じ中華風に決まる
かかる時間下処理と煮込みで1〜2時間お湯に溶かして数秒
保存冷蔵2〜3日・冷凍で作り置き常温で長期保存できる

市販品には顆粒のほかにペーストタイプもあり、いずれも湯に溶かすだけで味が決まります。自家製は塩を含まないぶん、しょうゆ・塩・味噌のどれに寄せるかを使う直前に選べます。

使い分けの目安:毎日の時短料理には市販の素、ラーメンや特別な日のスープには自家製、と分けると無理なく続けられます。

自分で作るメリット

鶏ガラから作る一番のメリットは、味と塩分を自分でコントロールできることです。余計な添加物を使わず、好みの濃さに調整できます。

  • 塩分・味付けを自由に決められる
  • 鶏ガラは安価で、まとめて作って冷凍できる
  • コラーゲン由来のとろみとコクが出る

鶏ガラは精肉店やスーパーの精肉コーナーで、1羽分が比較的安く手に入ります。コスパの面でも見逃せません。

一方で、下処理と煮込みに時間がかかること、煮ている間はにおいがキッチンに残ることは正直なところです。時間に余裕のある日にまとめて取り、あとから使える形にしておくと負担が偏りません。

鍋いっぱいに仕込んでも、こしたあとの量は使った水より2〜3割ほど減ります。水1.5〜2Lで取るなら、手元に残るスープは1.2〜1.6L前後と見ておくと計画を立てやすくなります。

鶏ガラスープの作り方|基本の手順

鶏ガラスープ作りで結果を左右するのは、ずばり「下処理」と「火加減」です。この2つを丁寧に行えば、家庭でも臭みのない澄んだスープに仕上がります。順番に見ていきましょう。

全体の流れは、洗う・下ゆでする・煮込む・こす、の4段階です。手を動かす時間は20分ほどで、あとは火にかけて待つ時間が大半を占めます。

鍋は、水と鶏ガラが余裕をもって入る4〜5L程度の深さのあるものが扱いやすくなります。浅い鍋は煮込み中に水位が下がりやすく、火加減も安定しません。

鍋で鶏ガラを煮込んでいる様子(湯気と黄金色のスープ)

材料(鶏ガラ・香味野菜)

基本の材料はとてもシンプルです。香味野菜は臭み消しと風味づけの役割を果たします。

材料分量の目安役割
鶏ガラ1〜2羽分旨味のベース
水1.5〜2L鶏ガラがかぶる量
長ねぎ(青い部分)1本分臭み消し
しょうが1かけ臭み消し
にんにく1かけ(好みで)風味づけ

玉ねぎやにんじん、セロリを加えると、より洋風寄りの優しい味わいになります。手元にある香味野菜で柔軟に調整して構いません。

水の量は、鶏ガラがちょうどかぶるくらいが基準です。多すぎると味がぼやけ、少なすぎると煮込むうちに骨が水面から顔を出して煮えむらの原因になります。

香味野菜は大きめのまま入れるのがコツで、しょうがは皮つきの薄切り、にんにくは軽くつぶす程度で十分です。塩は煮込み中には加えず、使う料理に合わせて最後に決めます。

(1) 鶏ガラの下処理(臭み取りが最重要)

下処理は鶏ガラスープの味を決める最重要工程です。鶏ガラには血合いや内臓の一部が残っていることが多く、これが生臭さの原因になります。

STEP
流水で洗う

鶏ガラを流水にあて、骨の内側や関節部分まで指でこすりながら洗います。背骨まわりの黒っぽい部分(腎臓)や血の塊は、特にていねいに取り除きましょう。

STEP
ぶつ切りにする

大きい鶏ガラはキッチンばさみや包丁でぶつ切りにします。断面が増えることで、骨の旨味がスープに出やすくなります。

STEP
下ゆで(湯通し)する

鍋にたっぷりの湯を沸かし、鶏ガラを1〜2分ゆでてからザルにあげます。出てきたアクや汚れを洗い流すと、臭みがぐっと減ります。

下ゆでをひと手間加えるだけで、仕上がりの澄み具合がはっきり変わります。面倒でも省略しないのがおすすめです。

洗い終わりの目安は、水を替えても濁らなくなることです。ボウルにためた水が赤く染まるうちは、まだ落としきれていない部分が残っていると考えて、もうひと回り洗います。

冷凍の鶏ガラを使うときは、冷蔵庫でひと晩かけて解凍してから洗います。凍ったまま湯に入れると内側まで火が回らず、血の塊が固まって取り除きにくくなります。

下処理が甘いまま煮込んでしまったときは、一度こしてから長ねぎの青い部分としょうがを足し、弱火で10分ほど追い炊きすると香りでかなり立て直せます。

骨まわりの掃除という点では、鶏の下ごしらえは共通する部分が多くあります。砂肝の銀皮の処理も同じ考え方です。

(2) 弱火でコトコト煮込む

下処理を終えた鶏ガラを鍋に戻し、かぶるくらいの水と香味野菜を加えて火にかけます。ここでの火加減が、透明感を左右する大きなポイントです。

最初は中火で温め、沸騰直前で弱火に落とします。グラグラと強く沸騰させると、脂と旨味が乳化してスープが白く濁ってしまうためです。表面がふつふつする程度をキープしましょう。

温度の目安は80〜90℃前後で、鍋底から小さな泡がゆっくり上がり、水面がかすかに動く状態です。大きな泡が次々に立ち上がるなら火が強すぎます。

火力を絞っても沸いてしまう場合は、鍋を五徳の中心から少しずらすか、いちばん小さいバーナーに移すと安定します。IHなら保温より一段だけ上の出力から探ると合わせやすくなります。

(3) アクと脂を取りながら仕上げる

煮込み始めると、表面に灰色のアクが浮いてきます。最初の15〜20分はこまめにアクをすくい取ってください。アクを残すと雑味や濁りの原因になります。

その後は弱火で1時間〜1時間半ほど煮込みます。アクが落ち着いたら、最後にザルやキッチンペーパーでこして完成です。

水面に浮く黄色い脂は、残せばコク、外せば軽い口当たりになります。ひと晩冷やすと脂は白く固まって層になるので、スプーンで外せばきれいに分けられます。

こす作業は二段階にすると失敗しません。まず粗いザルで骨と野菜を除き、次に紙や布を重ねて静かに落とします。押し付けて絞ると細かい粒が混ざり、せっかくの透明感が戻らなくなります。

ふたはしない:ふたをすると蒸気がこもり、生臭さが抜けにくくなります。煮込み中はふたを開けたまま、じっくり火を入れましょう。

透き通る黄金スープにする3つのコツ

お店のような透明感のあるスープにするには、3つのポイントを守るだけで十分です。難しい技術は必要なく、火加減と手間のかけ方が決め手になります。

濁りの正体は、脂と細かい粒が水の中に散らばった状態です。強い泡立ちがこの分散を進めるため、火加減の差がそのまま見た目に出ます。

ちなみに、白く濁ること自体は失敗ではありません。白湯(パイタン)は強めの火で長時間炊いて意図的に濁らせたスープで、澄ませたいのか濃厚にしたいのかで火加減の正解は変わります。

沸騰させず弱火を保つ

透明なスープの最大のコツは、絶対に強く沸騰させないことです。グツグツ煮立てると、脂と水分が混ざり合って白濁します。表面が静かに揺れる程度の弱火を、最後まで維持しましょう。

火を落とすタイミングは、鍋のふちに細かい泡が並び始めたときです。この段階で一気に弱めておくと、そのあとの温度が安定します。

気になっても、鍋の中をかき混ぜるのは最小限にします。骨や野菜が動くたびに細かい粒が舞い上がり、いったん澄んだスープが白っぽく戻ってしまうためです。

ふたをしない

ふたをして密閉すると、鶏ガラ特有のにおいがスープに戻ってしまいます。湯気を逃がすことで臭みが飛び、すっきりとした味に仕上がります。

湯気が抜けるぶん、煮込み中は水位が下がっていきます。鶏ガラが水面から出そうになったら、冷たい水ではなく熱湯を足して温度を落とさないようにします。

においが気になるときは換気扇を回し、鍋を奥側のバーナーに置くと広がりを抑えられます。ふたを半分だけずらして乗せる方法もありますが、澄んだ仕上がりを狙うなら開けたままが確実です。

香味野菜とアク取りのタイミング

香味野菜は煮込みの最初から入れて構いませんが、にんにくなど香りの強いものは後半に加えると主張しすぎません。アク取りは序盤に集中させるのがコツです。

ねぎやしょうがは1時間ほどで香りを出しきります。それ以上入れたままにすると野菜側のえぐみが移りやすいので、長く煮るときは途中で引き上げて構いません。

浮いてくるものは2種類あり、白っぽい泡は放っておいても濁りにはつながりません。灰色や茶色の膜のように見えるほうだけを、静かにすくうと考えるとすくいすぎを防げます。

「弱火・ふたなし・序盤のアク取り」。この3つを覚えておけば失敗しにくいです。

鶏ガラがないときの代用レシピ

鶏ガラが手に入らないときも、身近な鶏肉でうま味のあるスープが作れます。鶏ガラほど本格的ではありませんが、手軽さでは上回ります。

代用で見るべき点は、骨と皮がどれだけ含まれるかです。骨からはうま味、皮からはとろみのもとになる成分が出るため、この2つが多い部位ほど鶏ガラに近い味に寄ります。

手に入りやすさで選ぶなら手羽先や手羽元、あっさり仕上げたいなら骨なしのもも肉・むね肉と考えると迷いません。どの部位でも、下ゆでで臭みを抜く手順は共通です。

鶏手羽先・手羽元で作る

もっとも鶏ガラに近い味が出せるのが手羽先・手羽元です。骨と皮、ゼラチン質が多く、コクのあるスープになります。

下処理は鶏ガラと同様に、さっと下ゆでしてから使います。手羽先6〜8本に水1.5Lと香味野菜を加え、弱火で40分〜1時間煮込めば十分です。煮込んだ肉はそのまま料理に活用できます。

手羽先は骨・皮・関節がひとまとめに入るので、少ない本数でも味が決まりやすい部位です。手羽元は肉の量が多いぶん、取ったあとの身を主菜へ回したいときに向いています。

骨から出るうま味は40分〜1時間でほぼ出きるため、それ以上長く火にかけても味は濃くなりません。濃さを上げたいときは時間ではなく、鍋に入れる本数を増やすほうが効きます。

鶏もも肉・むね肉で作る

骨なしの鶏もも肉・むね肉でも、軽めのスープが取れます。あっさりした仕上がりで、和風スープや雑炊にも合います。

むね肉はパサつきやすいので、ゆですぎに注意しましょう。火を止めて余熱で火を通すと、肉もしっとり仕上がり一石二鳥です。

骨がないぶんコクは控えめになるので、鶏皮を一緒に入れると厚みが補えます。皮を使いたくないときは、しょうがとねぎを気持ち多めにして香りで補うと物足りなさが出にくくなります。

煮る時間は20〜30分が目安です。取り出した肉は繊維に沿って裂き、白髪ねぎとたれを合わせれば、スープと同時におかずが1品できます。

鶏ガラスープの保存方法と活用レシピ

鶏ガラスープは一度にまとめて作り、保存しておくと便利です。作りたての旨味を逃さないよう、正しく保存しましょう。

つまずきやすいのは、分ける単位を決めないまま大きな容器にまとめてしまうことです。使うたびに全量を出し入れすると、そのぶん温度が上下して傷みも早まります。

1回に使う量は200〜300mLが目安なので、その単位で分けておくと解凍のむだが出ません。容器に取った日付を書いておけば、使い切る順番も迷わなくなります。

冷蔵・冷凍での保存期間

粗熱を取ってから清潔な容器に移し、冷蔵・冷凍で保存します。目安は次のとおりです。

  • 冷蔵:2〜3日以内に使い切る
  • 冷凍:約2〜3週間(製氷皿で小分け冷凍すると使いやすい)

保存前にしっかり冷ますことと、再加熱の際は中心までよく加熱することが、安全に使うためのポイントです。長期保存には冷凍が向いています。

冷ますときは、鍋ごと氷水や流し水に当てると短時間で温度が下がります。室温に置いたままにすると、菌が増えやすい温度帯にとどまる時間が長くなってしまいます。

冷蔵中は表面で脂が白く固まり、ふたのような層になります。すぐ使う予定があるならそのまま残し、軽い口当たりにしたいときだけ外すと扱いやすくなります。

冷凍したものは、凍ったまま鍋へ入れて弱火で溶かすと香りが飛びにくくなります。電子レンジを使うなら、途中で何度か混ぜて温度のむらをなくします。

ラーメン・スープ・炊き込みご飯への活用

取った鶏ガラスープは、さまざまな料理のベースになります。塩や醤油で味を調えるだけで、ぐっと本格的な味わいになります。

  • ラーメン・タンメンのスープ
  • 中華スープ・わかめスープ・春雨スープ
  • 炊き込みご飯やリゾットの炊き汁
  • 鍋料理や雑炊のだし

味付けの起点は塩です。汁物としておいしく感じる塩分はおよそ0.6〜0.8%とされるため、スープ200mLなら塩1.2〜1.6g(小さじ4分の1程度)から始めると外しにくくなります。

炊き込みご飯なら水の代わりに同量を使うだけ、鍋物なら昆布だしと半々にすると和風の献立にもなじみます。ラーメンに使うときは、たれを別に作って丼で合わせると濃さを調整しやすくなります。

炊き込みご飯に使うと、水で炊くより一段とコクが増します。だしの活用に興味があれば、次の記事も参考にしてみてください。

鶏ガラスープを使う代表的な一杯がタンメンです。ラーメンとの違いは、こちらの記事にまとめています。

よくある質問

鶏ガラスープが白く濁ってしまいました。原因は?

強く沸騰させたことが主な原因です。脂と水分が乳化して白濁します。次回は沸騰直前で弱火に落とし、表面がふつふつする程度を保ってください。

鶏ガラの臭みが残るときの対処法は?

下処理での血合い除去と下ゆでが不十分な可能性があります。長ねぎの青い部分やしょうがを増やし、ふたをせずに煮込むと臭みが抜けやすくなります。

圧力鍋で作っても大丈夫ですか?

短時間で旨味を抽出できますが、透明感はやや出にくくなります。澄んだスープを優先するなら弱火でじっくり、時短重視なら圧力鍋と使い分けるとよいでしょう。

煮込んだあとの鶏ガラや骨まわりの身は使えますか?

骨のまわりに残った身はほぐして、チャーハンやあえ物の具に回せます。骨のほうはうま味をほぼ出しきっているので、二番だしを取るなら30分ほど煮出して、雑炊や味噌汁の下地に使う程度が現実的です。

冷やしたらゼリー状に固まりました。失敗でしょうか?

失敗ではなく、骨から溶け出した成分が冷えて固まった状態です。よく煮出せているサインなので、温め直せば元どおりの液体に戻ります。濃く感じるようなら、湯や水を少し足して好みの濃さに調整してください。

まとめ

鶏ガラスープは、下処理と火加減さえ押さえれば家庭でも本格的に作れます。難しい道具は要らず、コツはとてもシンプルです。

この記事のポイント:下処理(血合い除去・下ゆで)で臭みを取り、弱火・ふたなし・序盤のアク取りで透き通らせる。鶏ガラがなければ手羽先で代用でき、余ったスープは小分け冷凍で活用できます。

  • 血合いと内臓の残りを落とし、短い下ゆででリセットする
  • 水面がかすかに動く火加減を、最後まで変えない
  • ふたは開けたまま、序盤に浮いた膜をすくいきる
  • 鶏ガラが手に入らない日は、骨と皮の多い部位で代える
  • 使う量ごとに分けて冷やし、日付を書いて順に使い切る

はじめの一杯は、鶏ガラ1羽分と水1.5Lくらいの小さめの仕込みがおすすめです。鍋の中が見渡せる量なら火加減もつかみやすく、うまくいかなくても痛手になりません。

はじめは少量から試して、自分好みの濃さや香りを見つけてみてください。一度コツをつかめば、毎日の料理の幅がぐっと広がりますよ。

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