初夏になると店頭に並ぶ赤シソ。梅干しづくりに使ったり、束で安く手に入ったりして、「たくさんあるけど何に使おう」と迷う方は多いのではないでしょうか。赤シソは下処理さえ覚えれば、ジュース・ゆかり・塩漬けと幅広く楽しめる便利な食材です。
この記事では、赤シソレシピの土台になる下処理(あく抜き・塩もみ)から、人気の使い方、そしてカビを防ぐ保存のコツまでをまとめて紹介します。旬の赤シソを最後まで使い切るための「地図」として役立ててください。
赤シソの旬と下処理(あく抜き・塩もみ)の基本
赤シソレシピで最初に押さえたいのが、旬の時期と下処理です。赤シソはアクが強いため、ほとんどのレシピで塩もみによるあく抜きが下ごしらえの共通ステップになります。ここを覚えておけば、あとはどのレシピにも応用できます。
束で買った赤シソは、まず全体をほどいて広げてみましょう。内側の葉は蒸れて黒ずんでいることがあり、その分を先に外しておくと仕上がりの色がにごりません。葉が茶色く透けているものは香りも抜けているため、無理に使わず取り除きます。ここで残った葉の量が、そのまま作れるレシピの量になります。

赤シソが出回る時期と選び方
赤シソが店頭に並ぶのは、おおむね6月から7月ごろで、6月が出荷の最盛期です。梅干しを漬ける時期と重なるため、この期間限定で束売りされることが多くなります。旬を逃すと手に入りにくいので、使いたいレシピがあるなら初夏のうちに確保しておくと安心です。
選ぶときは、葉が濃い赤紫色でハリのあるものを選びましょう。葉先が乾いていたり、黒ずんでいたりするものは鮮度が落ちています。裏側まで色が回っているものほど、色鮮やかに仕上がります。
赤シソは梅と同じ売り場に並ぶことが多く、梅の入荷が始まると数も増えてきます。まとまった量がほしいときは、直売所や産直コーナーで枝つきのまま売られているものを探すと確保しやすくなります。枝つきは葉が乾きにくいため、家で摘み取るまで張りが保たれます。
葉先だけが少し黒い程度なら、その部分をちぎり落とせば残りは問題なく使えます。判断に迷うのは全体がくたっとしたもので、持ち上げたときに葉が下向きに垂れ、指ではさんでも張り返してこないようなら、香りも弱くなっています。
あく抜き(塩もみ)のやり方
赤シソのあく抜きは、塩もみで出てくる黒っぽいアクを2回に分けて捨てるのが基本です。塩の量は、葉の重さに対して10〜15%ほどを目安にします。
茎から葉だけを摘み取り、水を張ったボウルでよく洗って水気を切ります。
用意した塩の半分を加え、しっかりもみ込みます。黒っぽい水分(アク)が出てきたら、ぎゅっと絞って捨てます。
残りの塩を加えて同じようにもみ、出てきたアクを再び絞って捨てます。2回もむことで色よく仕上がります。
この塩もみを終えた葉が、ジュースやゆかりなど各レシピの出発点になります。ジュースにする場合は、煮出す前のこの下処理を省くレシピもあるので、作るものに合わせて調整してください。
もむときは、葉をつぶすというより両手ではさんで押しつけるようにします。1回目に出る汁は黒っぽく濁った紫色ですが、2回目は同じ紫でも濁りが減り、透けて見えるようになります。この違いがあく抜きの進み具合の目安で、2回目の汁が澄んで見えたら先の工程へ進んでかまいません。
絞り終えた葉は、かさが最初の3分の1ほどまで減ります。思ったより少なく見えても、水分が抜けただけなので心配はいりません。
塩の量は葉の重さから割り出しますが、あとから少しだけ足すときは、量りを出さずに「ひとつまみ」で済ませたくなります。ひとつまみがおおよそ何グラムかは、下の記事に数字を出しました。

赤シソレシピ(1):赤しそジュース(シロップ)
赤シソレシピの定番といえば、鮮やかな色が楽しめる赤しそジュースです。基本の材料は、赤シソ・水・砂糖・クエン酸(または酢)だけ。煮出したシロップを水や炭酸で割れば、夏にうれしいさわやかな一杯になります。
ジュース作りで差が出るのは、葉に残った水気です。洗ったあとはザルを振って水を落とし、葉の表面が乾いたくらいのタイミングで火にかけます。黒く傷んだ葉が混じると色がにごるので、鍋に入れる前にもう一度だけ広げて確かめておくと安心です。
材料と基本の作り方(要点)
作り方の流れはシンプルです。鍋に湯を沸かし、洗った赤シソを入れて3〜5分ほど煮出します。葉の色が抜けて煮汁が茶色っぽくなったら葉を取り出し、砂糖を加えて溶かします。火を止めてからクエン酸を加えると、煮汁が一気に鮮やかな赤色へと変わります。
水1リットルに対して赤シソ一束、砂糖はお好みで、というのが大まかな目安です。詳しい分量やクエン酸なしで作るコツは、別記事で手順を追って解説しています。

甘さ・クエン酸の調整と楽しみ方
甘さは砂糖の量で自由に調整できます。すっきり飲みたいなら控えめに、長く保存したいなら多めにするのがポイントです。酸味はクエン酸の量で決まるので、少しずつ加えて味をみながら整えましょう。
できあがったシロップは、水割り・炭酸割りのほか、かき氷のシロップやヨーグルトにかけてもおいしくいただけます。
甘さを決めるときは、何に使うかを先に考えておくと外しません。かき氷やゼリーのように、あとから水分や氷と合わせるものに使うなら少し甘めに作っておくと、薄まっても味が残ります。
反対に、そのまま食後に飲むだけなら控えめでも十分です。ただし甘さを抑えたぶん保存できる期間は短くなるので、飲みきれる量だけ仕込むのが安全です。
赤シソレシピ(2):ゆかり・赤しそふりかけ
ジュースと並んで人気なのが、赤シソを乾かして作るゆかり(赤しそふりかけ)です。ごはんやおにぎり、パスタにも使える万能ふりかけで、市販品のような無添加の一品を自宅で作れます。
ゆかりにするなら、葉の大きさや形は気にしなくてかまいません。破れた葉や小さな葉も、乾かして砕いてしまえば同じように使えます。気をつけるのは水分のほうで、厚みのある葉ほど乾きにくいため、大きい葉と小さい葉を分けて広げると乾き方がそろいます。

塩もみした葉を乾かして作る基本
基本は、あく抜きした葉を乾燥させて細かくするだけです。梅干しを漬けたあとの赤シソを使う場合は、梅酢の風味も加わって本格的な味になります。
塩もみした赤シソの葉を広げ、天日で1〜2日ほど、または電子レンジでパリパリになるまで乾燥させます。
乾いた葉をすり鉢やフードプロセッサーで細かく砕きます。手でもんでも作れます。
塩気が足りなければ塩を少し足して混ぜ、清潔な容器に入れて完成です。
乾き具合は時間ではなく手ざわりで判断します。指でつまんでパリッと折れ、粉になりそうなら十分です。曲がるだけで折れない葉はまだ水分が残っているので、その分だけ乾燥を続けます。
電子レンジを使うときは、耐熱皿にキッチンペーパーを敷き、葉が重ならないように広げます。600Wなら1分ずつ、様子を見ながら加熱するのが安全です。まとめて長く加熱すると葉が焦げ、苦みが出て香りも飛んでしまいます。天日に干す場合は、風のある晴れた日を選ぶと1〜2日で仕上がります。
ジュースの残り葉で作る使い切りワザ
赤しそジュースを作ったあとに残る煮出した葉も、捨てずにゆかりにできます。これが赤シソを無駄なく使い切るいちばんのコツです。
煮出した葉は水分を含んでいるので、しっかり絞ってから塩を少し加えて味を調え、電子レンジや天日で乾かします。あとは同じように細かくすれば、ジュースとふりかけの一石二鳥が完成します。
煮出したあとの葉は水を含んで重くなっています。ザルに広げて一度水を落としてから、手のひらで握るように押して残りの水分を出すと、そのあとの乾燥が早く進みます。
乾かした葉を少し口に含んでみて、甘みが残っているようなら塩をひとつまみ足すと味が締まります。ジュース由来のゆかりは、市販品よりやわらかい塩気に仕上がります。
使い切りのポイント:ジュースの煮出し葉でゆかりを作るときは、水分をしっかり絞るのが失敗しないコツです。水気が残るとカビの原因になるため、乾燥はパリッとするまで行いましょう。
赤シソレシピ(3):塩漬け・そのほかの活用
ジュースやゆかり以外にも、赤シソの使い道はたくさんあります。梅干し用の塩漬けから、料理へのちょい足しまで、旬の香りを気軽に楽しめます。
同じ赤シソでも、用途によって向く葉は変わります。塩漬けにするなら破れていない大きめの葉、天ぷらにするなら張りのある葉、刻んで薬味にするなら少し元気のない葉でも十分です。摘んだ時点で用途ごとに分けておくと、そのあとの作業が短く済みます。梅干し用に取り分けた分は、水気もていねいに切っておきます。
赤しその塩漬け(梅干し・保存向け)
赤しその塩漬けは、梅干しを漬けるときに欠かせない下ごしらえです。あく抜きした赤シソを梅酢に漬け込むと、梅と赤シソの両方が鮮やかな赤色に染まります。
塩漬けにしておけば冷蔵で日持ちするため、必要なときに取り出して使えます。梅干しを漬けない場合でも、塩漬けの赤シソはおにぎりや混ぜごはんの彩りとして活躍します。
梅干しに使う場合は、梅から白梅酢が上がってきてから赤シソを入れるのが基本の順番です。あく抜きした葉に白梅酢を少し取ってもみほぐし、色が出たところで梅の上に広げると、全体が均一に染まります。夏の土用に梅と一緒に干せば、その葉がそのままゆかりの材料にもなります。
梅干しを漬けない場合は、あく抜きした葉を保存容器に詰め、上から押さえて空気を抜いてから冷蔵庫に入れます。目安は冷蔵で2〜3週間で、取り出すときは水気のない箸を使うと傷みにくくなります。
天ぷら・薬味・混ぜごはんなどのちょい足し
赤シソは、少し加えるだけで料理の風味を引き立てるちょい足し食材としても優秀です。あく抜き前の生の葉でも、加熱すれば手軽に使えます。
- 天ぷら:生の葉に衣をつけて揚げると、香りのよい一品になります
- 刻んで薬味:冷ややっこやそうめんの薬味に
- 混ぜごはん:塩漬けやゆかりを温かいごはんに混ぜて
- デザート:シロップをアイスやゼリーにかけて
天ぷらにするときは、衣を葉の裏側にだけ薄くつけるのがコツです。両面につけると衣が厚く重くなり、香りも感じにくくなります。170℃前後の油に衣の面を下にして入れ、衣が固まったら返してすぐ引き上げます。20〜30秒ほどが目安で、長く揚げると葉が縮んで色もくすみます。
刻んで薬味にするときは、盛りつける直前に切ると香りが立ちます。繊維を断つように横向きに切ると口当たりがやわらかくなり、細かく刻むほど混ぜごはんになじみます。
赤シソは「ジュース→残り葉でゆかり→塩漬けで保存」と流れで使うと、一束を無駄なく最後まで楽しめます。
葉だけでなく、秋に立つ穂もそのまま塩漬けにできます。しその実の塩漬けは、収穫の適期と塩の割合さえ押さえれば冬まで持たせられます。

赤シソレシピの保存方法とカビを防ぐコツ
せっかく作った赤シソレシピを長持ちさせるには、保存方法とカビ対策が重要です。特にジュースやシロップは、砂糖の量と容器の清潔さで日持ちが大きく変わります。
保存の前に見ておきたいのは、作ったものにどれだけ水分が残っているかです。ゆかりのように乾かすものは水分が抜けきっているか、塩漬けのように漬けるものは葉が液に浸っているか。どちらつかずに湿った状態がいちばん傷みやすく、容器に入れる前のひと目で日持ちが変わります。
ジュース・シロップの保存(砂糖量とカビ対策)
赤しそジュースのシロップを長期間保存したい場合は、砂糖を多めにするのがコツです。砂糖が少ないとカビが発生しやすくなるため、冬場や春先まで保存するなら、水1リットルに対して砂糖250g以上を目安にすると安心です。
保存瓶は、煮沸消毒またはアルコール消毒をして清潔にしてから使いましょう。冷蔵保存が基本で、使うときは清潔なスプーンで取り分けると雑菌が入りにくくなります。
| 保存するもの | 保存場所 | 日持ちの目安 |
|---|---|---|
| しそシロップ(砂糖多め) | 冷蔵 | 数週間〜 |
| ゆかり(よく乾燥) | 常温・密閉 | 数か月 |
| 赤しその塩漬け | 冷蔵 | 数週間 |
| 生の赤シソ | 冷蔵 | 数日 |
※日持ちの目安は保存状態によって変わります。見た目やにおいに異変があれば使用を控えてください。
砂糖をスプーンだけで用意したいときは、種類ごとに1杯の重さが違う点に気をつけてください。上白糖とグラニュー糖では、スプーン1杯あたりのグラム数がそろいません。種類別の重さは早見表にしてあります。

生の赤シソ・ゆかりの保存
生の赤シソは乾燥に弱いので、湿らせたキッチンペーパーで包み、袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。それでも数日で鮮度が落ちるため、早めに下処理してしまうのがおすすめです。
ゆかりは、しっかり乾燥させて密閉容器に入れれば常温で長く保存できます。湿気を避けるため、乾燥剤を一緒に入れておくとより安心です。
湿らせたキッチンペーパーは、濡らしすぎないことも大切です。水滴がつくほど濡れていると、触れた部分から葉が黒く変色します。ペーパーが乾いてきたら取り替えると、色を保ったまま数日はもちます。束のまま冷蔵庫に入れておくより、先に葉を摘んで下処理まで済ませたほうが、場所も取らず傷みも遅くなります。
ゆかりは湿気を吸うと粉どうしがくっついて固まります。湯気の立つごはんの近くでふたを開けると湿気が入りやすいので、食卓には小さな容器に移した分だけ出し、本体は棚に戻しておくと長く使えます。
赤シソレシピのよくある質問
- 赤シソと青シソ(大葉)は同じレシピで使えますか?
-
香りの系統は近いですが、色素や風味が異なります。ジュースやゆかりの鮮やかな赤色は赤シソならではなので、色を楽しむレシピは赤シソを使うのがおすすめです。薬味や天ぷらなど色を問わない使い方なら、青シソでも代用できます。
- あく抜きは省略できますか?
-
ジュースのように煮出すレシピでは省く作り方もあります。ただし、えぐみが気になる場合や色よく仕上げたい場合は、塩もみでのあく抜きをしておくと安心です。
- 赤シソが余ったら冷凍できますか?
-
洗って水気をよく拭き取れば、生のまま冷凍保存できます。使うときは凍ったまま刻めるので、薬味やちょい足し用にストックしておくと便利です。
- 赤シソの茎や硬い軸も使えますか?
-
指で曲げるとポキッと折れる細い葉柄なら、刻んで加熱すれば料理に使えます。太くて筋張った軸は乾かしても口の中に残るので、摘む段階で外してください。葉のつけ根で切り分けながら摘んでいくと、あとで選り分ける手間がかかりません。
- ゆかりが湿気て固まってしまったら戻せますか?
-
においや色に変わりがなければ、フライパンに広げて弱火で乾煎りするか、電子レンジで短時間加熱すると、もう一度さらさらの状態に戻せます。冷ましてから密閉容器に入れ直し、乾燥剤を足しておくと、同じことが起こりにくくなります。ただしカビ臭さや白い点が出ている場合は、加熱しても元には戻りません。
まとめ
赤シソレシピは、塩もみによるあく抜きという共通の下処理さえ覚えれば、ジュース・ゆかり・塩漬けと幅広く展開できます。初夏の限られた時期にしか出回らない食材だからこそ、旬のうちに使い方を知っておくと重宝します。
赤シソは「下処理→ジュースやゆかり→保存」の流れで考えると、一束を無駄なく使い切れます。まずは定番のジュースやふりかけから、旬の香りと色を楽しんでみてください。
赤シソが手に入ったら、まず葉を摘んで塩もみまで進めておくと、そのあとは好きなタイミングで取りかかれます。下処理さえ終わっていれば、ジュースもゆかりも塩漬けも同じ葉から作れるためです。
工程ごとの判断どころをまとめておきます。
- 買うとき:葉先が乾いておらず、持ち上げても垂れないもの
- 塩もみ:2回目に出る汁の濁りが減ったら次の工程へ
- 乾燥:指でつまんでパリッと折れるまで
- 保存:容器を消毒し、水気のない道具で取り分ける
分量をきっちり量ってジュースを仕込みたいときは、記事の前半で案内したしそジュースの記事に配合と手順が載っています。秋になって枝先に穂が立ったら、しその実の塩漬けの記事に出番が回ります。
