7月は夏本番。七夕やお盆、土用の丑の日など、季節を感じる行事がいくつもあります。それぞれに昔から伝わる「行事食」があるのをご存じでしょうか。暑さが厳しい時期だからこそ、食べ物にこめられた知恵が光ります。
この記事では、2027年の正確な日付とあわせて、7月の行事食を「いつ・何を・なぜ食べるのか」がひと目でわかるように整理しました。家庭で取り入れやすいおいしい食べ方まで、まとめて紹介します。
7月の行事食の主役は、土用の丑の日(2027年は7月21日と8月2日)に食べる「うなぎ」。夏を乗り切るためのスタミナ食として、長く親しまれてきました。
7月の行事食一覧|いつ何を食べる?
まずは7月の行事食を一覧で確認しましょう。日付・行事・食べ物・由来をまとめると、夏の節目の流れがつかみやすくなります。なお日付は2027年(令和9年)のものです。

| 日付(2027年) | 行事 | 主な食べ物 | 意味・由来 |
|---|---|---|---|
| 7月7日 | 七夕(たなばた) | そうめん・ちらし寿司 | 無病息災を願う。天の川に見立てる |
| 7月19日 | 海の日 | 海の幸・夏野菜 | 海の恵みに感謝する祝日 |
| 7月21日・8月2日 | 土用の丑の日 | うなぎ・「う」のつく食べ物 | 夏を元気に過ごす縁起かつぎ |
| 7月13〜16日ごろ | お盆(地域による) | そうめん・精進料理 | 先祖を迎える供養の食 |
表の行事のほかにも、7月には土地の祭りと結びついた食の習わしがあります。京都の祇園祭は、7月の1か月をかけて行われる八坂神社の祭礼です。八坂神社の神紋「五瓜に唐花(ごかにからはな)」は、きゅうりを輪切りにした断面に似ています。そのため祭りに関わる氏子のあいだには、7月はきゅうりを控えるという習わしが伝わっています。
七夕の行事食|7月7日に食べるそうめん
七夕の行事食といえば、なんといっても「そうめん」です。2027年の七夕は7月7日(水)。じつはそうめんは、平安時代から七夕に食べられてきた由緒ある行事食なのです。
七夕の献立で気をつけたいのは、主食が重なりやすい点です。そうめんもちらし寿司も、麺やご飯が器の大半を占める料理です。両方を並べる日は、ちらし寿司を小ぶりの器に盛るか、ひと口大の手まり寿司にします。取り分けやすくなり、食べきれる量にも収まります。
七夕にそうめんを食べる理由
七夕にそうめんを食べる風習は、中国から伝わった「索餅(さくべい)」という小麦のお菓子が由来とされています。索餅を食べると一年間病気をしないと考えられ、それが時代とともにそうめんへと変化しました。
細く白いそうめんを天の川に見立てる、という見方もあります。暑い時期に食べやすく、見た目にも涼しげなことから、夏の行事食として定着しました。

めんつゆに少し薬味を足すだけでも、七夕らしい特別感が出ますよ。
ちらし寿司や夏野菜を彩りに
七夕の食卓では、そうめんに加えて彩りのよい料理を添える家庭も増えています。星形に抜いたオクラやにんじんを飾ると、ぐっと華やかになります。
- ちらし寿司:星形に抜いた具材で天の川を表現
- オクラ:輪切りにすると星の形になる夏野菜
- ゼリーやフルーツ:青色や星形で七夕らしさを演出
星形の型で抜く具は、にんじんなら5mmほどの厚さに輪切りにします。さっと下ゆでしてから抜くと、力を入れなくても角まできれいに抜けます。抜いたあとの切れ端は刻んで酢飯に混ぜれば、むだなく使いきれます。
そうめんの由来については、こちらの記事でくわしく解説しています。あわせてご覧ください。


土用の丑の日|2027年は7月21日と8月2日のうなぎ
7月の行事食でいちばん有名なのが、土用の丑の日に食べる「うなぎ」です。2027年の夏の土用の丑の日は7月21日(水)と8月2日(月)の2回。暑さで疲れた体に力をつける、夏の代表的な行事食です。
土用は季節の終わりごとに年4回あり、夏の土用は立秋の前日までのおよそ18日間を指します。丑の日は、日付に十二支を順に当てはめたときに「丑」にあたる日で、12日ごとにめぐってきます。この2つが重なる日が土用の丑の日で、うなぎの習わしはこのうち夏の土用のものです。
なぜ丑の日にうなぎを食べる?
うなぎを食べる習慣が広まったのは、江戸時代といわれています。夏に売り上げが落ちるうなぎ屋のために、学者の平賀源内が「土用の丑の日はうなぎ」という宣伝を考えた、という説が有名です。
もともと土用の丑の日には「う」のつく食べ物を食べると夏負けしない、という言い伝えがありました。うなぎはまさにその縁起にぴったり。栄養価も高く、夏を乗り切る食べ物として定着しました。
「う」のつく食べ物(うどん・梅干し・瓜)
うなぎは値が張るため、無理に用意する必要はありません。昔ながらの「う」のつく食べ物でも、夏の縁起かつぎは十分に楽しめます。
「う」のつく食べ物:うどんはのどごしがよく食欲がないときにも食べやすい一品。梅干しはすっきりとした酸味で食事のアクセントになります。瓜(うり)の仲間であるきゅうりやスイカも、水分が多く夏向きの食べ物です。
名前に「土用」をつけて食べる物もあります。あんこで餅を包んだ「土用餅」のほか、「土用しじみ」「土用卵」といった呼び方が残っています。どれも夏の土用の時期に合わせて食べる習わしです。
2027年は8月2日が「二の丑」
土用の丑の日は、年によって2回ある場合があります。1回目を「一の丑」、2回目を「二の丑」と呼びます。2027年の夏は土用の期間(7月20日〜8月7日)に丑の日が7月21日と8月2日の2回あり、8月2日が二の丑にあたります。
二の丑があるかどうかは、最初の丑の日がいつ来るかで決まります。土用に入ってすぐに最初の丑の日が来ると、次の丑の日も立秋の前日までに間に合い、その年は丑の日が2回になります。反対に、最初の丑の日が遅めに来る年は、次の丑の日が立秋より後になり、1回で終わります。
お盆の食べ物|そうめんと精進料理
お盆は、先祖の霊を迎えて供養する行事です。地域によって7月か8月かが分かれますが、食べ物にこめられた意味は共通しています。先祖をもてなし、感謝を伝えるための食です。
7月と8月に分かれたのは、明治6年(1873年)に暦が太陽暦へ切り替わったことがきっかけです。東京などの都市部では、旧暦7月15日という日付をそのまま新暦の7月15日に移しました。一方、農村部の多くでは新暦の7月中旬が農作業の忙しい時期と重なるため、ひと月遅らせた8月に行うようになりました。
お盆に食べる定番の料理
お盆の食卓には、地域や家庭によってさまざまな料理が並びます。代表的なものを挙げてみましょう。
- そうめん:あの世への道しるべ、または荷物を縛る綱に見立てる
- 天ぷら:夏野菜を使ったごちそうとして定番
- おはぎ・団子:先祖へのお供えものとして用意する
地域ごとに少しずつ違いがあるのもお盆の食の特徴です。各家庭に伝わるやり方を大切にすれば十分です。
7月の盆に天ぷらを用意するなら、この時期に出回るいんげんやししとう、みょうがが扱いやすい具です。ししとうは揚げる前に竹串で1〜2か所穴を開けると、油の中で破裂して油がはねるのを防げます。
精進料理という考え方
お盆の供養には「精進料理」が用いられることがあります。精進料理とは、肉や魚を使わず、野菜や豆、海藻などを中心にした料理のことです。



すべてを精進料理にしなくても、煮物や和え物を一品添えるだけでもお盆らしさが出ますよ。
冬瓜(とうがん)の煮物、ゆでた枝豆、きゅうりの酢の物は、7月の売り場でそろう野菜だけで作れる精進の一品です。冬瓜は皮を厚めにむいてわたを取り、薄味で煮含めます。煮汁ごと冷蔵庫で冷やすと、夏向きの冷たい煮物になります。
無理なく取り入れられる範囲で、季節の食材を使った料理を用意すれば、先祖を思う気持ちは伝わります。
海の日と夏の食卓|2027年は7月19日
2027年の海の日は7月19日(月・祝)。7月第3月曜日にあたり、海の恵みに感謝する祝日です。海の日に決まった行事食はありませんが、海の幸や夏野菜を食卓に取り入れる家庭が多くあります。
海の日のもとになったのは、1876年(明治9年)7月20日の出来事です。東北巡幸を終えた明治天皇が、灯台視察船「明治丸」で青森から函館を経て横浜港に戻りました。この日が1941年に「海の記念日」となり、1996年に国民の祝日「海の日」になりました。2003年からは祝日法の改正で、日付を固定しない月曜日の祝日に変わっています。
連休にあたることも多いので、家族で旬の魚介や夏野菜を味わうにはぴったりのタイミングです。7月が旬の食材をうまく使えば、季節感あふれる食卓になります。
連休に海辺で魚介を買った日は、クーラーボックスに氷か保冷剤を入れて持ち帰り、家に着いたらすぐ冷蔵庫へ移します。車の中は短い時間でも熱がこもるので、クーラーボックスは日差しの届かない座席の足元などに置きます。
8月はお盆や八朔、立秋と行事が続きます。翌月の行事食はこちらでまとめています。


よくある質問
- 2027年の土用の丑の日はいつですか?
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2027年の夏の土用の丑の日は7月21日(水)と8月2日(月)です。この年は二の丑があり、夏の丑の日が2回めぐってきます。
- 七夕にそうめん以外で食べるものはありますか?
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ちらし寿司や、星形に抜いた夏野菜を使った料理がよく食べられます。オクラの輪切りやゼリーで星を表現すると、七夕らしい彩りになります。
- うなぎが高いときの代わりはありますか?
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「う」のつく食べ物なら縁起かつぎになります。うどん・梅干し・瓜(きゅうりやスイカ)などが手軽でおすすめです。
- お盆は7月と8月のどちらですか?
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地域によって異なります。東京など一部では7月13〜16日、多くの地域では8月13〜16日に行われます。お住まいの地域の習わしにあわせましょう。
- 二の丑がある年は、うなぎをどちらの日に食べればよいですか?
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一の丑も二の丑も夏の土用に入る丑の日なので、縁起かつぎとしての意味に差はありません。予約や買い物の都合がつくほうの日を選んで構いません。一の丑にうなぎ、二の丑に「う」のつく食べ物と、2回に分けて楽しむこともできます。
7月の行事食を食卓で楽しむコツ
7月の行事食は、暑さの中でも季節の移ろいを感じさせてくれます。すべてを完璧に用意する必要はありません。気になったものを一つ取り入れるだけでも、夏の食卓に彩りが生まれます。
市販のうなぎの蒲焼きは、温め方で食感が変わります。フライパンに皮を下にして並べ、酒を少しふってふたをし、弱火で蒸し焼きにすると身がふっくらします。電子レンジで温めるときは、ふんわりとラップをして、短めに加熱します。長く温めると、身が縮んでかたくなります。
食べきれなかった蒲焼きは、1切れごとにラップで包み、冷凍用の袋にまとめて冷凍庫へ入れます。前日の夜から冷蔵室でゆっくり解凍し、同じように蒸し焼きにすると、うな丼や混ぜご飯に回せます。
七夕にそうめんをすする、丑の日にうなぎや「う」のつく食べ物を味わう、お盆に一品添える。小さな行事食から始めれば、7月の食卓がぐっと豊かになります。
7月は旬の食材も豊富な季節です。行事食とあわせて、旬の野菜や魚、果物も取り入れると、より夏らしさを楽しめます。下記の記事もあわせてご覧ください。
















